[サンフランシスコ 1日 ロイター] - 米アルファベット<GOOGL.O>傘下のグーグルが昨年3月に導入した飲食店や美容院などの予約機能が好調だ。次世代検索への移行は静かに進んでいる。

「リザーブ・ウィズ・グーグル」と名付けられたこのサービスを使えば、ユーザーは予約の際に電話やインターネット検索、フォームの記入といった手間を省ける。例えば午後5時に職場から数百メートル以内でマッサージを受けたい場合、グーグルが近隣店舗の空き時間を表示し、予約から、場合によっては支払いまで済ませてくれる。

グーグルはこのサービスの実績についてコメントを控えている。しかし同社にデータを提供している予約ソフトウエア企業7社への取材によると、利用者は非常に多いようだ。

美容系の予約企業タイムトレード(米マサチューセッツ州)の場合、リザーブ・ウィズ・グーグル経由の予約の75%が新規顧客で占められている。

アルゼンチンの首都ブエノスアイレスの飲食店予約企業レストランドは、利用開始から最初の数週間で約1万5000件の予約があったとしている。

グーグルが目指すのは、ユーザー自らが検索した結果を表示するだけでなく、タスクを丸ごと実行する段階への移行だ。

その中心となるのが音声を認識するAI(人工知能)「グーグル・アシスタント」。関係筋によると、年内にはユーザーがアシスタントに音声で命令すれば「リザーブ」で予約できるようになる見通しだ。

競合するアップル<AAPL.O>の「Siri(シリ)」やアマゾン・ドット・コム<AMZN.O>の「アレクサ」にはまだこうした機能がない。

グーグルは「リザーブ」の利用について、ユーザーと企業に課金していない。提携している予約サイト企業に対しても、利益回収の仕組みを明らかにしていない。

しかし顧客の予約が集まるとなれば企業はグーグルに広告を出すかもしれない。最終的に企業から手数料を取る可能性も考えられる。