[東京 23日 ロイター] - 自民党の財政再建に関する特命委員会がまとめた提言案の全容が分かった。安倍晋三首相が掲げてきた基礎的財政収支の黒字化目標について、2025年度までの達成を促すことが柱。政府が6月中旬に閣議決定する新たな財政健全化計画に反映させたい考えだ。

岸田文雄政調会長が近く文書で提示する。提言では、実質2%・名目3%超の高成長を実現しても「30年代前半には債務残高対GDP(国内総生産)比が上昇に転じる」と指摘し、基礎的収支の継続的な改善が重要との認識を示す。

当初20年度だった黒字化の時期については「25年度までの間に達成すべき」と明記する。消費税率10%への引き上げも19年10月に引き上げるべきと主張。「増税の影響を緩和するため、需要変動を平準化する具体策を検討すべき」と併せて要請する。

4年連続で過去最大を更新している防衛予算に関しては、北朝鮮情勢を念頭に「防衛力の充実強化は不可欠」との認識を示す。

一方で「財政健全化との両立を図るため、さらなる効率化を進める必要がある」と指摘し、1)装備品の調達契約の改善、2)民生品などの活用、3)防衛産業の再編・統合――を柱とする歳出改革を促す。

*内容を追加しました。

(山口貴也)