[北京 19日 ロイター] - 中国銀行保険監督管理委員会(CBIRC)の陳文輝副首席は19日、国内金融セクターの対外開放は互恵の原則に基づいて行うとし、保護主義政策をとる国は恩恵を受けないとの考えを示した。

陳氏はフォーラムで、中国は金融セクターの開放を加速したい考えだが、自国の金融セクターを競争にさらすことを恐れる国は恩恵を受けないと述べた。

特定の国を名指しせず、一部の国は自国の金融機関が中国で自由に営業できないことなどを理由に、中国金融機関の対外進出を制限していると指摘した。

その上で「中国の開放は公平性と相互利益の原則に基づいて行う必要がある」とし、全ての国に適用できる画一的な方法では行わないと言明。「(自国の)開放を恐れ、保護主義政策を導入する国は、目先の利益しか見ておらず、長期的に間違いなく競争力が低下する」との見方を示した。

中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁は4月、国内外の金融機関が対等な立場で競争できるようにするほか、外国金融機関が参入できる分野を拡大すると表明。2018年末までに信託、金融リース、自動車金融、消費者金融分野への外資参入を容認する方針を示した。

陳氏は中国国内の銀行資産に占める外銀のシェアについて、2017年末時点でわずか1.32%と、これまでの最高記録である2.5%から低下したと指摘。「外銀のシェアがこのところ低下しているのは好ましくない」と語った。

金融セクターの対外開放は国内のリソース配分を改善し、経済を支援するとの見方も示し、一部の外国金融機関が既に、中国での事業所開設や中国金融機関への出資拡大に関心を示していると明らかにした。

さらに、中国金融セクターの開放は、他国が中国に対し自国の金融セクターを開放することにもつながり、中国金融機関の海外展開にとって一段と好ましい政策環境の整備を促す一助になるとの見方を示した。