自分の価値観に沿って生きる

ポップカルチャーがスマホに侵入し、私たちの心に根を下ろすようになっている昨今、私たちの注意を引くためにはますます多くの刺激が必要になっている。そして多くの場合、最も自信に満ちた人々は、部屋のなかで最も大きな声の主ではない。これが、ある問題をつくりだしている。
私たちはしばしば、自信について理解しようとするとき、間違った人々を研究してしまうのだ。
この点をはっきりさせておこう。自信は、大声を出す必要はない。注目の的になる必要もない。成功をすべて自分の手柄にする必要もない。これらすべては不安の産物だ。そして本当の自信は、不安ではなく自分を信頼することから生まれるのだ。
「自分を本気で信じること」が、この方程式の重要な部分だ。自分の価値観と行動を一致させることもそうだ。そして、これらすべてが時間と反復を経てひとつになるとき、他者から自信を持っているとみなされる具現化された存在が生み出される。
言い換えれば、本物の自信とは、自分の価値観に沿って生き、言葉だけでなく実際に行動し、時間をかけてこのプロセスを繰り返すことから生まれる自己信頼が実体化したものなのだ。
本当の自信は、その人が着ている服とはほとんど関係がない。注目される存在であるかどうかとは、もっと関係がない。
本物の自信は、どのようにふるまうのか、逆境にどう対処するのか、まわりの人々にどのような印象を与えるのかがすべてだ。
以下のリストは、本当の自信を持つ人々のさまざまな側面をとらえることを目的としている。これを読み、あなたがずっと憧れていた自信に満ちた人物になるための秘訣をつかんでいただきたい。
自信に満ちあふれた人たちの特徴を挙げていこう。
1. 手本を示すことで人々を導き、その手本に習うよう促す
本当の自信を持っている人は、何ごとも有言実行する。そしてそれによって、ほかの人にも行動する力を与える。
2. 自分のやり方で物事に没頭しているため、ほかの人々が何を考えているのかについては関心を持たない
自信に満ちた人は、ほかの人が考えていることなど気にしていないかのようにふるまっているわけではない。それは自己防衛と呼ばれるものだ。
そうではなく、彼らのメンタルなエネルギーは、否定派の意見を気にすることには使われないのだ。彼らは、今という瞬間にのめり込んでいるため、それに気づきさえしない。
3. 言葉やモノではなく、雰囲気や存在感で自信を示す
本物の自信を持っている人は、いい服や高級腕時計、フェラーリなどで人に好印象を与えることの必要性を感じていない。
4. オフィス外での自己成長を何よりも重視する
虚勢を張っているのではなく、本物の自信を持っている人はコーチングやセラピーなどを受け、自己成長に取り組んでいる。彼らにとってそれは、考えるまでもないことなのだ。
5. 前もって練習し、この準備が成功につながると信じる
自信に満ちた人も、完璧な神ではない。だが彼らは、持って生まれた才能を長年の努力によって最大限に伸ばしている。練習が完璧を生み出すのだ。
6. ひとつのことに照準を絞る(一度にすべてやろうとするのではなく)
大きな自信を持っている人は、いくつもの仕事を同時にこなそうとはしない。彼らは一度にひとつのことに照準を絞り、それに全力を尽くす。そのことで、自身の能力に対する自信が築かれるのだ。
7. 自分の欠点をオープンにして、それに対処する
本当の自信を持っている人は、コーチングやセラピーを通して自分自身を知るようになる。その結果、彼らは自分の限界について話し、それに対処する術を習得する。
8. 友人や家族との互いを支え合う関係を大切にして維持する
自信は関係性をもつものだ。つまりそれは、個人間の相互作用によって生み出される。本物の自信を持っている人は、大切な人に心を開く。
9. 逆境の渦中では、まわりの人々に背を向けるのではなく、人々のほうに向かっていく
本物の自信を持っている人は、厳しい状況にいるときには助けを求める。ひとりになりたいという誘惑と戦い、早く立ち直れるようにする。
10. 病気になったり、燃え尽きたりする前に、オフの時間をスケジュールに入れる
同様に、本当の自信を持っている人は健康を優先する。運動する時間をつくり、リラックスする時間をスケジュールに入れる。こうすることが彼らの寿命と集中力にプラスの効果をもたらすことを知っているからだ。
11. すべてを背負い込むのではなく、チーム内で責任を分配する
自信に満ちたリーダーはコラボレーションを重視する。自分ですべてやってしまうと、チームのレベルアップが阻害され、燃え尽き症候群になる可能性が増え、ひどく効率が悪いことを彼らは知っているのだ。
12. ほかの人たちに話させ、彼らの意見を集めてから、自分の考えを伝える
耳を傾けることがポイントだ。本当の自信には、一番にならなければならない切迫した必要などない。それが必要なのは不安だ。
13. 威嚇ではなく、ともに物事をつくりだすためにアイコンタクトする。彼らは脅迫するのではなく、共同創造に目を向ける
自信に満ちた人は、ほかの人を威嚇しようとしない。
14. 自由時間を死守し、それによって「インプット」と「アウトプット」のバランスをとる
本物の自信は、持続的な成功を必要とする。成功の持続は、ノーと言うことから生まれる。ノーと言えるのは、バランスの大切さを知っている人だけだ。
15. 自分のオープンさを伝えるボディランゲージをつねに使う
本当の自信があれば、不自然なまでに広いスペースを占める必要はない。それが必要なのは傲慢さだ。
16. 本気のときにしか「イエス」とは言わない
つまり、彼らの決断は断固としたものであり、場当たり的な判断を下したりはしないのだ。
17. 初心を忘れず、知識を深めるための努力をつねにしている
自信にあふれた専門家だからといって、彼らが新たな知識に対して心を閉ざしているわけではない。むしろ正反対であることが普通だ。
18. 頼りになる社員やトップパフォーマーに感謝の意をあらわす
本当の自信には、謙虚さと思いやりが必要だ。まわりの人たちに払う敬意はそのひとつだ。
19. ミスを犯したときは謝る
そうだ! ヘマをしても、それを認められる自信が彼らにはある。そして、次はもっとうまくいくと確信できるだけの自信もある。だから、責任を転嫁する必要がないのだ。
20. 難しい言葉を使って、まわりの人々にいい印象を与えようとするのではなく、簡単な言葉を使って深いことを言う
無理をして知りもしない難しい言葉を使うのは、自信がない証拠だ。そんなことをするのは、せいぜいが二流のセールスマンだ。
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本物の自信は大声ではない。注目の的でもない。それに、お金を出して買えるものでもない。上のリストが示しているように、本当の自信には努力が必要だ。
言い訳するのをやめよう。まずい手本をあがめるのをやめよう。好きでもない人々にいい印象を与えるために、必要がないものを買うのはやめよう。
上のリストに書かれていることを今日から実践しよう。そうすればやがて、あなたがずっとほしかった自信を手に入れられるだろう。
原文はこちら(英語)。
(執筆:Matthew Jones/Contributor, Inc.com、翻訳:阪本博希/ガリレオ、写真:peshkov/iStock)
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This article was translated and edited by NewsPicks in conjunction with Cartier.