[ブラジリア 16日 ロイター] - ブラジル中央銀行は16日、政策金利を6.50%に据え置くと発表した。エコノミスト調査では、利下げが広く予想されていた。新興国通貨の売りを受けてブラジルレアルが2年ぶり安値を付ける中での決定となった。

ロイターのエコノミスト調査では、42人のうち40人が25ベーシスポイント(bp)の利下げを予想。残る2人が据え置きを見込んでいた。

今回の据え置き決定は、2016年10月に始まった利下げの打ち止めを示唆する。

金融市場では、米国債利回りの上昇を背景に投資家が新興国の高利回り資産から資金を引き揚げており、新興国の中銀の間では、タカ派姿勢にシフトする動きが出始めている。

中銀金融政策委員会(COPOM)は声明で、据え置き判断は「インフレ見通しのリスクバランスが最近変わった」ことが理由だと説明。

金融政策で想定される時間軸、つまり2018年あるいは19年までの期間にインフレ率が目標に向かって収束するとの見通しに整合的だとした。

中銀のインフレ目標は18年末が年率4.5%、19年末が4.25%となっており、上下1.5%ポイントのレンジが設定されている。インフレ率はここ1年間、2.8%前後で推移している。

バンコ・ファトールの首席エコノミスト、ホセ・フランシスコ・ゴンサルベス氏は「為替ショックが最大の要因で、中銀がリスクを取ることを避けたことは疑いようがない」と指摘。利上げを開始するのは19年になると引き続き予想していると述べた。

据え置きを予想していたバンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのデイビッド・ベカー氏は、中銀は「必要とされていた決定を行った」と語った。金利は来年初頭まで据え置かれる公算が大きいが、10月の大統領選の結果次第で見通しが変わる可能性があると認めた。

バンコ・パインのエコノミスト、マルコ・カルーソ氏は「リスクバランスを排除すれば、見通しは依然として追加利下げを正当化するが、中銀は安全策を選んだ」と分析。「不安定な為替変動が再び起きない限り、政策金利は引き続き非常に低い水準にとどまる可能性が高い」との見方を示した。

*内容を追加しました。