[東京 16日 ロイター] - 公正取引委員会の山田昭典事務総長は16日の定例会見で、ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)<8354.T>と十八銀行<8396.T>の統合計画について、公取委が実施したアンケート調査の結果は「公取委の従来の考え方を変えなければならないような内容ではなかった」と述べた。

山田事務総長は「現状の計画のまま統合すれば、競争を実質的に制限することになる」と指摘し、統合承認のためには実効的な問題解消措置が必要だとの認識を改めて示した。

両社の統合計画を巡っては、FFG傘下の親和銀行と十八銀が合併すると長崎県での融資シェアが7割超に上ることから、審査が長期化。両社の要請を受け、公取委は長崎県の事業者を対象にアンケート調査を行った。

シェアの低減に向け、FFGと十八銀は債権譲渡を検討中。山田事務総長は、一般論とした上で、債権譲渡が形式的なものではなく実効的か確認するため、債権を引き受ける銀行に聞き取り調査を行う可能性があると述べた。

FFGと十八銀は7日、経営統合の実現に向け、統合で生じる弊害の防止策を発表した。山田事務総長は、審査の結論を出すために両社が提示する対策の全体像を見極める必要があると話し、今回の対策へのコメントは避けた。

(和田崇彦)