中国がクリーンエネルギーに力を入れる理由
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国際機関で働いていると、日本の立ち位置が外からどう見えるかが気になります。この1、2年で瞬く間にクリーンエネルギー促進のリーダーシップを世界舞台で発揮した中国。中国国内の環境対策の実情はまだまだとは言え、対外発信は戦略的な国。それに対して日本のエネルギー政策は、外からは分かりづらい。随分損している部分があるのでは?
中国の場合、すでに多くのエネルギーを輸入に依存しているわけで、しかも石炭の過剰消費に伴う都市部での大気汚染など、再生可能エネルギーに力を入れざるを得ません。
合わせて、温暖化対策に力を入れることで、国際的なリーダーシップを果たせる国であることを誇示したいのだと思います。
アメリカのパリ協定離脱は、好都合だったでしょう。「中国は大気汚染などお構いなしで、日本はクリーンで環境を大切にする」というイメージはあると思いますが、このイメージは徐々に変化していく可能性があります。
中国は現在、強烈なトップダウンで地球環境に配慮した国へとシフトしています。電力でいうと、新規の火力発電所の建設は抑制され、すでに中国では新規に導入される発電設備のうち半分以上の設備容量が再生可能エネルギーによる発電設備となっています。
『中国再生可能エネルギー事情を読み解く』
https://synodos.jp/science/21399
ちなみに隣国の台湾では、再生可能エネルギーの本命と言われる洋上風力発電市場が盛り上がっています。
『日立製作所、台湾で洋上風力発電 初の海外受注、有望市場』
https://newspicks.com/news/2994994
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翻って日本。経済産業省が提出した「エネルギー基本計画」を見てみると、「2030年に火力約6割、原子力約2割、再生可能エネルギー約2割」を目標としていることが分かります。火力発電への依存度が依然として高く、再生可能エネルギーが2030時点でも2割程度(中国の2030年の再生可能エネルギー比率は26%なので、日本はそれよりも低い)。
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>日本がESGやSDGsにそぐわない経済活動を行っていると、資本市場に日本企業に対する投資をためらうことになる
上記の村上さんのお話はその通りで、既に火力発電に注力する電力会社に対しては、欧州の金融機関によるダイベストメント(投資撤退)が起こっています。一般の事業会社に関しても、ESGを考慮しない場合は資金が調達しにくくなったり、資金が集まらなくなったりする可能性は十分考えられます。