2013年酪農乳業重大ニュース、円安・原料高でコスト増
2013/12/16, 日本食糧新聞
日本食糧新聞社など酪農・乳業専門紙9社で構成する酪農乳業研究会は、13年酪農乳業重大ニュースを選定した。トップは「円安で飼料・輸入乳製品など値上がり、酪農乳業界はコストアップに苦慮」に決まった。為替だけでなく、チーズなど国際乳製品相場は高騰し、年明けには値上げなどの対策をせざるを得ない状況だ。重大ニュースは次の通り。
(1)円安で飼料・輸入乳製品など値上がり、酪農乳業界はコストアップに苦慮=牛の餌(えさ)代が、穀物飼料価格の高止まりに加えて、為替の影響で2~3割のコスト増で、酪農家の実負担は過去最高を更新。通常補てんに初めて国費が投入された。乳業界もバターや脱脂粉乳など輸入乳製品の大口価格が最高値を更新。輸入の原料用チーズも今年7~12月、来年1~6月と大幅に高騰
(2)TPP交渉参加、乳製品含む重要5品目に焦点=3月に交渉参加を表明し、7月から参加。年内妥結は果たせず、決着は越年となったが、重要5品目の行方は酪農界にとっては注視されるところだ
(3)生乳生産9年ぶりの増産から再び減産見通し=12年は暦年ベースで9年ぶり、年度ベースで7年ぶりに増産となり、昨年の重大ニュースでトップとなった。しかし、猛暑や穀物飼料価格の上昇で餌代を抑えるなど1頭当たりの生乳生産量に影響。酪農家の戸数も初の2万戸割れで、乳牛頭数も減少するなど生産基盤が揺らいでいる。3年連続で増産計画の方針が中央酪農会議から打ち出されていたが未達に
(4)国際酪農連盟年次会議(ワールドデイリーサミット)が横浜で開催=91年に東京で開催されて以来、日本では22年ぶり。「牛乳の再認識」をテーマにセミナーや情報交換会などが行われ、60ヵ国から約2200人が参加した
(5)飲用向け乳価4年ぶりに引き上げ、10月から牛乳価格を値上げ=1kg当たり5円の牛乳向け生乳価格引き上げを7月に妥結。北海道は4月にさかのぼり、チーズ向けも1円引き上げた
(6)発酵乳需要堅調持続、過去最高更新の予測で期待高まる
(7)大手乳業の国際戦略本格化、アジアで市乳・乳製品工場稼働
(8)12年度チーズ総消費量30万t台で過去最高
(9)震災復興への歩み進むも風評被害消えず、原賠審の追加指針で賠償対象を拡大
(10)OIE(国際獣疫事務局)が5月に日本をBSE(牛海綿状脳症)清浄国に認定
(山本大介)
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