日揮、中国海洋石油系と提携 プラント建設効率化
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化学プラントは一般的に、土木工事→鉄骨工事→据付工事→配管工事→計装・電気工事→試運転という流れで進みます。
この中で特に見積時には読めないのが、個人的には鉄骨工事と配管工事だと思っています。膨大な物量の鉄骨と配管(DBと言いますが)を溶接していかなければならないわけですが、現地ワーカーの溶接効率(1人が一日にどれくらいの物量を溶接できるか)や溶接工の数などは見積段階では分からないことが多いです。新しく付き合う建設会社や、新しく進出した地域などでは特にわかりません。鉄骨工事が終わらないとその上に乗せる機器の据付ができないし、配管工事も進みません。配管工事が出来なければその後のフラッシング・耐圧試験ができないので後ろ側にさらに影響が出ることになります。工事が遅れれば納期を守るためにラッシュワークを掛けざるを得ずコストがかかり、またそれでも遅れれば契約に従い罰金を支払う場合も。
また、記事中にもありましたが既設プラントの隣接地に増設する場合は運転中の火器工事は制限されるので、溶接などの工事はよりやりづらくなります。正攻法では工期が間に合わない。
ここで有効なのが、モジュール。あらかじめ専用工場に鉄骨・配管材料や機器を集めて構造物として建設し、それをそのままモジュール船に乗せて現地で据え付ける。これなら現地では土木工事以外ではモジュール間の配管や鉄骨の溶接、計電工事くらいになるので格段に現地工事のボリュームは下がります。また、当然ですがこの時に「配管密度」が高い、すなわち配管が入り組んでいるようなエリアをモジュールしたほうが密度が低いエリアをモジュールにするより効率的になります。
ただやはり万能というわけでなく、工場でのモジュール化費用・モジュール船のレンタル・モジュール据付用の大型クレーン費用・一部機材のモジュール工場への輸送、などなど通常のEPCでは発生しないコストが出ますので、これらの追加費用と現地工事費の削減・Contingencyの削減のバランスを見て採用するか否かを判断することになるのかな、と思います。
個人的には最後まで土木工事と電気工事(電気ケーブル敷設など)は残ると思いまうが、計装工事は計器のCableless化がより進んでいけばモジュールショップでできるようになるのでは、と思っています。