日本の労働生産性が低く見えるのは、いいモノを安く売っているからだ
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【3分で理解】日本の労働生産性が低い理由
日本の労働生産性は低いと言われていますが、計測に問題がある面も大きいようです。
(1)「労働時間あたりの名目GDP」を労働生産性と定義して、それを為替レートを用いて国際比較するのが普通ですが、そうなると「企業間の安売り競争等で安く売っている日本」の労働生産性は低く、「各企業が利益率をしっかり確保して高く売っている外国」の労働生産性は高いことになってしまいます。
(2)品質の比較が難しいので、「配達時間指定が出来て再配達もしてくれる日本の宅配便」と、「3日くらいのうちには到着するだろうが時々1週間かかる、といった外国の宅配便」が、「1個の荷物を運んだ」という同じサービスと認識されてしまうと、日本の労働生産性は過小評価されてしまいます。
(3)実際に日本の労働生産性が低い面もありそうです。これまで人件費が安かったので労働生産性を高めるインセンティブが企業に乏しかったからです。しかし、今後は労働力不足の時代ですから労働生産性を高めるための投資をする企業が増え、労働生産性は上がっていくと期待されます。
以上が「3分で理解」でしたが、「10分で少し詳しく理解」をしたい方は、添付の拙稿をご覧いただければ幸いです。価格を決めているのが生産者だけなら、たしかにそうだ。しかし価格は消費者が選択によって決めているという側面も強くある。
そう考えると、この記事のタイトルは「日本の労働生産性が低く見えるのは、いいモノを安く買いたい消費者がいるからだ」というようにも読み替えられるだろう。
みんなが、いいモノを安く買うのをやめて、同じ(ここが大事で、全く同じモノであっても)いいモノをあえて高い値段で買えば、この問題は解決する。さて、それが可能だろうか。