[ソウル 26日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)が26日発表した第1・四半期の国内総生産(GDP)速報値は季節調整済みで前期比1.1%増と、ロイターのまとめた市場予想の1.0%増を上回った。輸出や政府支出の拡大が成長を押し上げた一方、個人消費の伸びは依然鈍かった。

2017年第4・四半期は0.2%減だった。

前年比では2.8%増と、市場予想の2.9%をやや下回る伸び。17年第4・四半期は2.8%増だった。

輸出は前期比4.4%増。メモリーチップやその他IT(情報技術)製品の輸出が特に好調だった。政府支出は2.5%増と、6年ぶりの大幅な伸びを示した。

一方、個人消費は0.6%増と、1年ぶりの低い伸びだった。

韓国銀行の当局者は、医療給付の拡大が政府支出を押し上げたほか、メモリーチップの出荷増が引き続き輸出を支えていると分析した。

業種別でみると、サービス部門は0.9%増加したが、外食・宿泊サービスは平昌冬季五輪開催にもかかわらず0.9%減少した。

韓国銀行のチョン・ギュヨル経済統計局長は、外食・宿泊セクターが依然として、新型迎撃ミサイルTHAAD(サード)配備を巡る中国人観光客減少の影響を受けていると指摘した。寒波や大気汚染の影響で市民が外出を控えたことにも言及した。

スタンダード・チャータード銀行のエコノミスト、パク・チョンフン氏は、今年下期に内需が回復すると予想する。「今後も輸出が成長をけん引する一方、最低賃金の上昇が徐々に奏功し、下期に家計消費が上向く可能性がある」との見方を示した。

韓国は3月まで17カ月連続で輸出が増加しているものの、当局者の間では内需の低迷や可処分所得の190%前後に膨らむ家計債務が懸念材料となっている。過去最高付近に高止まりする若年失業率や求人数の不足による賃金への下押し圧力を背景に、内需が低迷している。

韓国銀行は今年の成長率を3%と予想しているが、この見通しはメモリーチップなどの韓国製品に対する需要に左右されることから、米中貿易摩擦の影響を受ける可能性がある。

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