さまざまなエクスペリエンスを創出

何であれ、ビジネスを行う方法を学びたければ、お手本となる格好のブランドはディズニーだ。だからこそ「Disney Social Media Moms Celebration(DSMMC)」に招待されたことを筆者は誇りに思っている。
DSMMCは、ディズニーが提供するさまざまなエクスペリエンスに参加し、同時にそこからヒントを得ているインフルエンサーたちが全米から一堂に会する、年に一度の集いだ。
会場となったクルーズ客船「ディズニー・ドリーム」の船内では、ウォルト・ディズニー・パークス・アンド・リゾーツでデジタル・マーケティング・ディレクターを務めるアレックス・ルイスが、いまディズニーが注目しているオンライン・トレンドをいくつか教えてくれた(ディズニーが注目しているのだから、皆も注目したほうがよいだろう)。

1.「いま」を重視する

ストーリーテリングの最新技法は「Instagram Stories」や「Facebook Stories」「Google Amp」などのプラットフォームでショーケース化されている。
これら3つのなかでもっともポピュラーなのがInstagram Storiesだ。ルイスの推定では、3億人以上のユーザーがこの機能を活用してオーディエンスにリーチしているという。
先ごろインスタグラムは、新機能「Stories Highlights」を発表した。この機能を使えば、特定カテゴリーのストーリーを保存して、あとで閲覧することができる。つまり、他のストーリーのように24時間後に削除されることはないのだ。
なぜ、これがうまくいくのだろうか。それが一口サイズの楽しいコンテンツだからだ。これこそが、ユーザーがオンラインで消費したいと思っているものなのだ。
いまやオンラインでの選択の対象はあまりにも多く、人々の集中力の持続時間もどんどん短くなっている。だからこそ、こうした「いま」を重視したシェアが成功するのだ。

2.「いま」を重視するための最善策は「ライブ」

通常の動画と比べて「Facebook Live」は3倍長く視聴されており、寄せられるコメントも10倍の多さだとルイスは言う。「Facebook live stream」の検索数も、同機能のローンチ以来、330パーセント増加しているという。これが「ライブ」が持つ力だ。
即興による「いま」を重視した戦略の正しさを証明しているのは、これまでにもっとも多くのオーディエンスに見られた「Chewbacca Mom」のライブ動画だ。これまでに1億7100万回以上の視聴回数を獲得し、その数字は今も増え続けている。この動画は駐車場から始まったシリーズだ。

3. チャットボットで自分を複製する

チャットボットはそれほど新しいものではないが、現在その勢いが増しつつあるとルイスは言う。
チャットボットが優れているのは、訓練すれば、24時間年中無休で利用できる「デジタル版の自分自身」になってくれるからだ。チャットボットを効果的に利用する秘訣は、売るためではなく、価値を提供するためにそれを活用することだ。

4. 音声認識技術

2017年末までに、3000万台以上の家庭用音声作動式デバイスが売れた。
先のホリデーシーズンにAmazonでもっともよく売れた製品は、AIアシスタントのAlexaを搭載した「Echo Dot」だった。Alexaは2万5000以上に及ぶスキル(Amazon版の「アプリ」のこと)を持っている。
音声認識技術が成長している今のうちに、先を見越して新しいスキルを開発することをルイスはすすめている。
2020年までに、検索の半分は音声で行われることになると同氏は予想している。そう聞けばあなたも、現在のSEO戦略を見直し、ブログを音声検索に最適化することを考えるようになるはずだ。

5. 怖がらないこと

ウォルト・ディズニーのように、好奇心を持ち、絶えず情報を入手し、新しいことを試そう。自分のまわりには、思考やアイデアを次のレベルに発展させるのを助けてくれるエキスパートたちをいつも揃えるようにしよう。
オンラインでは、物事はつねに変化し、進化している。あなたもこの姿勢を、進んで自分の戦略に取り入れるべきだ。
原文はこちら(英語)。
(執筆:Christina Nicholson、翻訳:阪本博希/ガリレオ、写真:FelixCatana/iStock)
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This article was translated and edited by NewsPicks in conjunction with IBM.