[ワシントン 23日 ロイター] - 米商務省が23日発表した2月の耐久財受注統計は、民間設備投資の先行指標とされるコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)の受注が前月比1.8%増と、市場予想の0.8%増を大幅に上回った。5カ月ぶりの大幅な伸びだった。

前月まで2カ月連続で落ち込んでいた。1月は0.4%減だった。

2月の前年同月比は7.4%増だった。

国内総生産(GDP)の設備投資の算出に用いられるコア資本財の出荷は前月比1.4%増と、2016年12月以来の大幅な伸びとなった。1月は0.1%増だった。

MUFGの首席エコノミスト、クリス・ラプキー氏は「米経済の成長余地が底を尽きつつあるとの観測が台頭しているが、コア耐久財受注の伸びは景気後退(リセッション)リスクを抑制する」と述べた。

半面、貿易戦争の脅威が設備投資削減の動きにつながる可能性があるとの懸念も聞かれる。

RDQエコノミクスの首席エコノミスト、ジョン・ライディング氏は「不透明性は設備投資を圧迫する。現在の経済環境を取り巻く大規模な不透明性は、米国の関税措置が世界の貿易体制に及ぼす予測不能な脅威だ」と語った。

2017年は、企業が大幅な法人税引き下げを見込む中で設備投資が底堅く伸びた。トランプ米大統領は18年1月に法人税を35%から21%へ引き下げた。

コア資本財受注が2月に大幅に伸びたことは、設備投資が今後も増えることを示唆する。底堅い景況感や世界経済の加速、ドル安が米国の輸出を押し上げており、設備投資を促す要因となっている。結果として米経済の約12%を占める製造業の追い風となっている。

また、コア資本財の出荷が底堅かったことで、第1・四半期に弱含んだ個人消費の影響を相殺するかもしれない。アトランタ連銀は第1・四半期GDPの予測を年率で1.8%増としている。2月28日に発表された17年第4・四半期GDP確報値は2.5%増だった。

バークレイズのエコノミストも、第1・四半期の米GDP伸び見通しを0.1%ポイント引き上げ1.9%とした。JPモルガンは、第1・四半期の設備投資の伸び見通しを5%から7%に引き上げた。

2月の資本財受注の内訳は、機械が1.6%増。一次金属や電機・家電も増えた。一方、電算機・電子製品は0.2%減だった。

全体としての耐久財受注は前月比3.1%増だった。耐久財はトースターから航空機まで、3年以上使われるモノを指す。輸送機器が7.1%増加し、全体水準を押し上げた。1月の耐久財受注は3.5%減だった。

米航空機大手ボーイングのウェブサイトによると、同社の2月の航空機受注は30件と、2月の28件からやや増加した。

自動車・同部品は1.6%増。1月は0.1%増だった。

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