DSMジャパン、高い耐加水分解性能の新高機能エンジン材料
2013/08/30, 日刊自動車新聞
ディーエスエム・ジャパン・エンジニアリングプラスチックス(ヨス・ヴァン・ライヴェン社長、東京都港区)は29日、高温環境下にさらされる自動車用エンジン部品としての性能を満たす耐加水分解性高機能GF―PET樹脂「Arnite・A―X07455」を販売すると発表した。ポリエステル樹脂で軽量なのに加え、高い耐加水分解性を持ち、高温・多湿の環境下で使用しても高い耐衝撃性、剛性を維持する。自動車軽量化材料として売り込んでいく。
A―X07455は、自動車部品用素材として、ブレーキブースターバルブなどに長年採用されてきた「Arnite・A」をベースに、エンジン周辺部品向けに耐加水分解性を強化した高機能グレード。
自動車用エンジン部品は、電子部品の増加や軽量化ニーズに対応するため、多くの樹脂が用いられている。特に燃費低減のためのエンジンのダウンサイジング化が進むにつれて、エンジンルームの温度が上昇しやすくなっている。このため、エンジン部品として使われる樹脂には、高温・多湿の環境下でも耐衝撃性や剛性、強靭性を維持することが求められ、樹脂の加水分解を最小限に抑えることが重要となっている。
新製品のISO527試験では、50%をガラス充填材としたA―X07455の引張応力は、最高使用圧力200メガパスカルとなり、強度が高い。
また、A―X07455は高度な寸法精度、高い耐化学薬品性(耐加水分解性など)と機械的性質である耐衝撃性、剛性、強靭性などを高水準で兼ね備えている。このため、自動車用エンジン部品の軽量化素材に適しており、スロットルバルブボディーやセンサー、空気制御弁ハウジング、排気ガス循環(EGR)カバー、点火システムなど、エンジンルーム内の様々な自動車用部品に使用されることを想定している。
新製品のベースになっているAは、比較的安価とされるポリエステル樹脂であることから、金属代替や、芳香族ポリアミド、やポリフェニレンサルファイドなど、既に導入されている高価な高機能樹脂のコストダウン材料としても見込まれる。
同社ではA―X07455の導入により、自動車の製造コストの削減、軽量化による燃費向上が見込まれるとしている。
Copyright (c) 2024 Nikkan Jidosha Shimbun. All Rights Reserved.
プレミアム会員限定の記事です
今すぐ無料トライアルで続きを読もう。
オリジナル記事 7,500本以上が読み放題
オリジナル動画 350本以上が見放題
The Wall Street Journal 日本版が読み放題
JobPicks すべての職業経験談が読み放題