染色体異常確定で中絶が98% 新型出生前検査
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30年前は出生前診断はまだ一般的ではありませんでした。
受けるか否かも迷えないほど、選択肢も情報もありませんでした。
高齢出産ではリスクが高い『らしい』という程度。
24歳で産んだ長女に染色体異常がある、と知ったのは3歳時検診でした。
股関節脱臼があり、0歳から大学病院で診察を受けていましたが、その時には判りませんでした。
染色体異常による発達の遅れと心臓疾患の他に、聴覚障害、難病指定の内分泌疾患がある事も判りました。
その頃から月に複数回の発作と入院を繰り返し、仕事は当然のように辞めました。
今、『染色体異常もある』と話すと『なぜ出生前診断をしなかったの?』と言われる事があります。産んだ30年前当時よりも強い非難を込めて。
私には、娘を育てることの困難さより、その声の方がずっと辛く悲しいものでした。
出生前診断で判る障害は染色体異常の中でも一部です。
染色体異常以外の障害は、ほぼ判りません。
中絶を選んだ98%の方を、今の日本の状況では責める事はできません。
ただ、残り2%の産む事を選んだ方を責めるようなことも、あってはいけない、と強く思っています。大昔、仕事があまり忙しくなく暇人だったので、様々なジャンルの本を分け隔てなく読んでいた時期があります。そのとき、カソリック教徒の方の本に出会ったことがあります。
当カソリック教徒の書曰く、
①「人間の生命の誕生」のタイミングとは、自然分娩時ではなく、帝王切開時ではなく、ましてや法律の規定で人工妊娠中絶手術が禁止となる妊娠22週目ではなく、受精の瞬間なのである。
②そしてこの「人間の生命の誕生」の定義に基づと、人工中絶手術は刑法199条の行為と本質的に同じである、
と。
私はカソリックではありませんが、この主張に当時「なるほど一理ある」と思いました。
一方で、染色体異常の子供を授かった家族の状況は、想像できます。
こんにちまで、私は追加で考えることを放棄しています。多分一生正しい答えを出せませんもしも、自分の兄がこの時代に受精してたら、死んでいたのかもしれない。
俺は多分、中絶という選択肢は選ばない。その兄がいたから今の俺がいる。
近くにいてくれて、本当に良かった人だから。
産んでからが辛いというのは、本当にわかります。僕もその家族でしたから、でも、絶対産んで良かった、近くにあなたがいて嬉しかったって人が必ずいるってことも忘れないで下さい。