[ロンドン 22日 ロイター] - 22日のユーロ圏金融・債券市場では、スペインが発行した10年債に旺盛な需要が見られたことで、同国の10年債利回りが一時8年ぶりの低水準に迫った。

スペイン10年債利回りは一時3.68%まで低下。20日につけた8年ぶり低水準の3.65%に迫った。終盤の取引では3.74%と、前日終盤からほぼ横ばいとなっている。

スペインはこの日、シンジケート団を通じて新発10年債(2024年4月償還)を発行。400以上の投資家から発行額の100億ユーロを大きく上回る400億ユーロ近い応募があり、応募額は欧州諸国の政府が発行した国債としては過去最大となった。発行額も同国にとり過去最大だった。

発行規模が大きかったことで消化が若干難しくなり、スペイン国債利回りは午後の取引で若干上昇。ただ市場では、政府は今後は発行規模を縮小する可能性があるため上昇は一時的なものになるとの見方が出ている。

この日の発行を受け、スペインは2014年に中長期債発行を通して調達する計画の1333億ユーロのうち、16.6%を調達した。

SEBの債券ストラテジスト、ローリー・ハエリッキー氏はスペインの国債発行について、「非常に旺盛な需要が見られた。欧州債券市場に投資家が戻りつつある」とし、「ユーロ圏崩壊の恐れは完全になくなった。ユーロ圏では信頼感が急速に回復している」と述べた。

前日に6週間ぶりの低水準をつけた独2年債利回りは、ほぼ横ばいの0.17%。独政府がこの日に実施した2年債入札は、欧州中央銀行(ECB)の追加利下げ観測が出ていることから、旺盛な需要を集めた。