[東京 16日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の午後5時時点から円高が進み105円後半。一時105.54円まで売られ、2016年11月10日以来、1年3カ月ぶり円高水準をつけた。ドルが広範に売られる流れが続いている。

106円前半で東京市場の取引が本格化したドルは、何度か下値を試した後、午後1時過ぎに106.00円付近のオプションに絡む防戦買いを突破して105円台へ下落。一段の円買いを誘発するストップロスを巻き込みながら、下げ幅を広げた。

対円で105円台をつけた場面では、ドルが広範に下落した。対ユーロでは一時1.2556ドルまで売られて1月安値を突破し、14年12月16日以来3年2カ月ぶり安値を更新。対スイスフランでも直近安値を下抜けて2年8カ月ぶり安値を更新した。

主要6通貨に対するドルの値動きを示すドル指数も、3年2カ月ぶり低水準をつける全面安となった。

ただ市場では、ドルが売られている背景に多数の説があり、参加者の見方は定まっていない。世界景気の好調ぶりを背景に、米国発の資金がドルを離れて世界の株式市場や新興国へ資金が向かうリスクオンの結果とする見方もあれば、トランプ米政権が抱える内政・外交リスクをにらんだ「米国売り」の始まりとする解釈もある。

昼過ぎから強まったドル下値攻めの動きは、午後3時過ぎには一服。105円後半で落ち着いた動きとなった。心理的な節目ともされる105円台は、多くの投機筋がターゲットとしてきただけに「いったん利益確定の動きが出やすい」(トレーダー)という。

<円、全面高には至らず 際立つドルの主導ぶり>

対ドルで上昇が勢いづいている円相場だが、対ドル以外の通貨に対しては、それほど上昇圧力がかかっていない。「円高ではなくドル安が現在の相場を主導している」(都銀)象徴といえそうだ。

例えば過去24時間の主要通貨対比の動きをみると、円の上昇が最も目立つのはカーニバル明けのポジション調整が激しいブラジルレアルで、続いて米ドル、中国人民元、メキシコペソなど。ユーロに対してはほぼ横ばいで、対英ポンドや南アフリカランドでは小幅に下落している。

ドル/円<JPY=>  ユーロ/ドル<EUR=>  ユーロ/円<EURJPY=>

午後3時現在 105.78/80 1.2547/51 132.74/78

午前9時現在 106.09/11 1.2501/05 132.64/68

NY午後5時 106.08/11 1.2503/06 132.70/74

(為替マーケットチーム)