[東京 7日 ロイター] - マツダ<7261.T> は7日、第3・四半期(2017年10―12月期)の営業利益が前年同期に比べ約2.2倍だったと発表した。米国販売は厳しかったが、円安効果が寄与した。前提為替レートの見直しなどにより、18年3月期通期見通しは売上高を上方修正した。通期の営業利益、純利益は従来予想を維持する。米国での販売費用増など考慮した。

10―12月期の営業利益は306億円で、トムソン・ロイターが算出したアナリスト9人の予測平均値334億円をやや下回った。

通期売上高は従来予想から1500億円増となる3兆5000億円に上振れる。通期の前提為替レートを1ドル=111円(従来は110円)、1ユーロ=130円(同127円)と円安方向にそれぞれ見直した。 

17年4―12月期の営業利益は前年同期比5.1%増の1071億円だった。米国での出荷減少や販売奨励金(インセンティブ)の増加などで242億円の減益要因となったが、円安など為替影響が315億円押し上げ、米国の不振を補った。

<中国は好調、米国はセダン系不調>

通期の世界販売計画は従来の160万台を据え置いたが、地域別では、セダン系車種が不振の北米を1万3000台引き下げ、好調な中国を1万6000台引き上げた。

4―12月期の世界販売は前年同期に比べ2%増の118万6000台と同期として過去最高となった。中国は8%増の24万5000台で、同じく過去最高。減税効果のあった小型車「マツダ3(日本名アクセラ)」、SUV(多目的スポーツ車)「CX―4」などが好調だった。一方、米国は5%減の22万台だった。

青山裕大常務執行役員は会見で、中国市場では減税措置終了後もSUV系車種を含めて成長が期待できるとし、「来期も今期並みの販売台数を期待したい」と述べた。

会見した藤本哲也常務執行役員は、米国市場では「特にセダン系のインセンティブが厳しく、台数も伸び悩むという現実に直面している」と指摘した。SUV「CX―5」などは好調で、CX系の販売比率を高めているが、「CX系シフトによる改善効果がセダン系の悪化に追いついていない」と語り、来期以降は販売網改革とSUV系で反転攻勢をかける意向を示した。

通期の純利益予想は前期比6.6%増の1000億円と従来のまま維持した。営業利益予想も従来通りの19.3%増の1500億円。トムソン・ロイターが算出したアナリスト20人の予測平均値は1547億円となっている。

*内容を追加しました。

(白木真紀)