[モントリオール 23日 ロイター] - 米国、カナダ、メキシコの3カ国による北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の第6回会合が23日、モントリオールで始まった。トランプ大統領が協議は「かなり順調」と述べるなど、明るい兆しも見える。

トランプ大統領はホワイトハウスで洗濯機と太陽光パネルに輸入関税をかける大統領令に署名した際、「NAFTAはかなり順調に進展している。不調に終われば廃止するというのがわたしの立場だ」と述べた。

この発言を受けてメキシコ通貨ペソ<MXN=>は下げを取り戻した。

再交渉は、メキシコ総選挙と時期が重ならないよう、3月末までに終了する予定。

カナダの首席交渉官を務めるスティーブ・バーホール氏は記者団に「交渉での隔たりをいくらか埋めるため、多くの新しい案と多くの創造的な戦略を持って会合に臨む」と述べ、進展するとの「高い期待」があるとした。

関係筋によると、米国が提案している自動車部品の域内調達比率引き上げについてカナダとメキシコは柔軟に対応する用意がある。ただ、両国は米国製部品の調達率を50%に引き上げるという提案には強く反発。米国が求める加盟国間の紛争解決の仕組みの変更案についても隔たりが残ったままだ。

メキシコの首席交渉官、ケン・スミス氏は、通信や汚職対策、食品安全など対立点が少ない分野で進展を期待していると述べた。

モルガン・スタンレー<MS.N>は顧客向けノートで、米国にはNAFTAへの積極関与を続ける動機が存在すると指摘。「今後数カ月内に米国が同協定を離脱する公算は小さいと考える」とした。

ただ、カナダ当局者の多くは、米国が真剣に交渉に取り組むつもりかどうかが分からないとして、悲観的見解を示した。

カナダの交渉スタンスに詳しい関係者は「交渉相手の意向が不明確な場合、要求を黙って受け入れる以外にどのように折り合いをつけられるのかは理解が非常に難しい。黙って受け入れることは決してない」と語った。