原油市場に過去最大の投機資金が流入中(小菅努)
コメント
注目のコメント
Kitahata Junyaさんが原油価格の経済への影響についてコメントされていますが、私も同様の印象を持っています。
なぜエコノミストが原油価格を軽視しているかといえば、その理由の一つとしては、歴史的にエコノミスト業界の中で原油ウォッチャーの立場が弱いこと(経済見通しの前提となる無難な数字さえ作ればよいという仕事になっている)があります。
例えば日本では、日本経済の担当以外では、米国経済担当のエコノミストが出世コース筆頭で、次に欧州、次に新興国(中国、東アジア、インド、南米、インド、ロシア、中東、アフリカ等々の順)というように、組織内のポジションに歴史的レガシーがあります。原油などコモディティの担当はどちらかといえばマイノリティです。
もう一つの理由は、経済を原油価格のみで説明するような風潮自体が単純化しすぎて嫌われること。こういう話をすると、必ず「原油価格だけでは決まらない」と返されます。
確かにそうですが、近年では各国の金利政策は原油価格の動向で決まると言ってよく、日本の商社も原油価格でその収益が決まってしまいます。これだけ振り回されて、やっと原油価格の重要性に最近思い知らされているというのが実態ではないでしょうか。
原油マーケットはとても小さいので、投機資金の流れで殆ど決まってしまうと言っても過言ではありません。そうした投機家の動きは不確実性が高いので、同じ指標を追いかけているだけでは予想が不可能です。
2017年末にかけて、米国の原油在庫が一気に減ったのは、中国向けの輸出が激増しているからです。それに反応して、WTIを含めて上昇トレンドにありますが、シェールオイルの増産がどこまで続くか、OPECが減産をいつまで続けるかによって、さの行方は大きく変わるでしょう。
ただし、少なくとも春頃までは上昇トレンドが続くのではと思います。「過去最大の投機資金が流入」は間違い.....過去最高の買い越し枚数なだけ
直近の証拠金:1,980ドル、2014年頃は4,800ドルだったと記憶しています。
資金ベースでは、まだまだ過去最大の水準には届いていない。