[19日 ロイター] - <為替> ドルが主要通貨バスケットに対し5週連続で値下がりし、下落期間は2015年5月以来の長さとなった。米政府機関閉鎖の可能性を巡る懸念がドルを圧迫した。

上院民主党トップのシューマー院内総務はこの日、トランプ大統領と会談し、閉鎖回避に向けた打開策を探った。シューマー氏は一定の前進があったものの、複数の項目でなお合意に至っていないことをほのめかした。ただ、閉鎖されても影響は軽微との声も聞かれる。

貿易加重のドル指数は0.06%高の90.591。米国以外の中銀も利上げに踏み切るとの見方からドルが売られ、今週は2014年12月以来の安値水準をつける場面もあった。ユーロは対ドルで0.06%安の1.2230ドル。17日につけた3年ぶり高値(1.2323ドル)を下回った。欧州中央銀行(ECB)の理事会を来週に控え、週間では5週連続で上昇した。

ドルは対円で0.41%安の110.64円。17日につけた4カ月ぶり安値(110.19円)を上回る水準だ。ただ、米10年債利回りが2014年9月以来の水準に上昇したものの、ドルの勢いはすでに薄れつつある。

<債券> 米金融・債券市場では、指標10年債利回りが上昇し、3年ぶりの高水準をつけた。軟調な地合いとなっていたオーバーナイト取引の流れを受け継いだ。

10年債利回りはアジア時間の取引で、米政府機関の閉鎖を巡る懸念などから、テクニカル上の主要な支持水準を試したが、その後は高水準の利回りが一部買いを誘う展開となった。

マニュライフ・アセット・マネジメントのシニア債券トレーダー、マイケル・ロリジオ氏は「値動きがさらに別の値動きを誘う展開となった」と指摘。利回りが高水準に達したことで幾分買い戻しが入ったとものの、十分な買いにつながらず、利回りは高水準を若干下回る水準を維持していると語った。

終盤の取引で、10年債利回りは2.635%。一時、2014年9月以来の高水準となる2.646%に上昇した。

2年債利回りは2.056%。一時2.065%に上昇し、2008年9月以来の高水準をつけた。

<株式> 反発。米政府機関閉鎖の可能性が懸念されているものの、消費関連株が上昇を主導し、ナスダック総合とS&P総合500種は終値で過去最高値を更新した。

S&P主要消費財は1.1%、S&P一般消費財0.9%ともに上昇し、S&Pの上昇の牽引役を果たした。

アナリストの評価引き上げを手掛かりに、ナイキ、フィリップ・モリス・インターナショナル、ホーム・デポに買いが入り、1.5-4.8%上昇。

一方、前日引け後に発表した決算が嫌気されたIBMとアメリカン・エクスプレス(アメックス)は下落。IBMは4%安と、1日の下落率としては昨年7月以来の大きさとなった。第4・四半期決算は売上高が23四半期ぶりに増加したものの、2018年の1株当たり営業利益見通しが失望誘った。

アメックスは1.8%安。第4・四半期決算は、米税制改革に絡む一時費用の計上が響き26年ぶりの赤字。6カ月間の自社株買い見送りも発表した。

<金先物> 米政府機関の一部閉鎖に対する警戒感などを背景に安全資産としての買いが入り、反発した。中心限月2月物の清算値は、前日比5.90ドル(0.44%)高の1オンス=1333.10ドル。米連邦政府の現行つなぎ予算が19日に期限切れを迎える問題をめぐり、市場では政府機関閉鎖に対する懸念がくすぶっていることから、投資家のリスク選好意欲が後退。相対的に金塊には「質への逃避買い」が入った。また、この日も外国為替市場ではドル安・ユーロ高基調が続いており、ドル建てで取引される金に割安感が生じているため、買いが入りやすかった。

<米原油先物> 米国などの増産で需給がなかなか均衡しないのではないかとの懸念が広がる中、売りが優勢となり、続落した。米国産標準油種WTIの中心限月2月物の清算値は前日比0.58ドル(0.91%)安の1バレル=63.37ドル。週間では1.45%安と、5週間ぶりにマイナスに転じた。国際エネルギー機関(IEA)は19日に発表した1月の石油市場月報で、石油輸出国機構(OPEC)が主導する協調減産の効果で世界的な原油在庫は減少しつつあると指摘。ただ、米国やカナダ、ブラジルなどでの増産がベネズエラやメキシコでの減産分を相殺し、世界的な需給均衡化を阻害する恐れがあると言及した。米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが19日に公表した国内石油リグ稼働数は、前週比5基減の747基となったが、市場の反応は限定的だった。

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