[ロンドン/ニューヨーク 16日 ロイター] - 16日の取引で仮想通貨ビットコインは急落し、4週間ぶりの安値となった。韓国の企画財政相が仮想通貨の取引禁止は依然としてあり得ると発言し、規制を巡る懸念が高まった。

他の仮想通貨も下落し、情報サイトのコインマーケットキャップによるとイーサリアムは一時23%安、リップルは33%安となった。

ビットコイン<BTC=BTSP>は、ルクセンブルクのビットスタンプ取引所で一時1万1191.59ドルに下落。ニューヨーク時間の取引では1万2078ドルまで下げ幅を縮めたものの、11.2%安の水準にあり、1日の下げとしては昨年9月以来の大きさとなった。

英FXTMのリサーチアナリスト、ルクマン・オトゥンガ氏は「中国で仮想通貨の新たな規制に関する報道が出たことで、(ビットコインは)短期的に一段安となる可能性がある」と予想。「この日のビットコインの急落は、仮想通貨はボラティリティーが非常に高く、予測不可能であることを想起させるだろう」と述べた。

韓国の聯合ニュースによると、金東ヨン(キム・ドンヨン)企画財政相はラジオで、政府として「不合理な」仮想通貨投資に対し一連の取り締まりを準備すると示唆したという。

中国でも、中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝・副総裁が仮想通貨の取引所取引や個人・企業が提供する仮想通貨関連サービスを禁止すべきとの見解を示した。同国の当局は昨年、国内の仮想通貨取引所を閉鎖し、仮想通貨の急落を招いたが、後に相場は回復した。

シンクマーケッツのチーフストラテジスト、ナイーム・アスラム氏は「(ビットコインの)下落を招いているのは規制の問題が主因だ」と指摘した。ただ、同氏は「相当な額」のビットコインやイーサリアム、リップルを保有しているといい、「当社はスタンスを変えない。仮想通貨の完全禁止が可能だとは思えない」と述べた。

最近の売りで、ビットコインは昨年12月半ば時点の高値である約2万ドルから40%前後下落し、時価総額1300億ドル程度が失われた。