[東京 16日 ロイター] - 日銀が16日に発表した昨年12月の企業物価指数(速報)によると、国内企業物価指数(2015年=100.0)は前年比で3.1%上昇した。前月の同3.6%上昇から伸び率は鈍化した。前月比は0.2%上昇となった。

ロイターがまとめた民間調査機関の予測中央値は前年比3.2%上昇で、結果はこれを小幅下回った。

国内企業物価の前年比プラスは12カ月連続。引き続き、米中を中心とした世界経済の回復を受けた原油など国際商品市況の上昇が押し上げ要因となっており、石油・石炭製品が同14.8%上昇したほか、鉄鋼、非鉄金属、電力・都市ガス・水道なども高めの伸びを続けている。

伸び率の鈍化は2016年5月に、前月の同4.4%下落から同4.6%下落にマイナス幅が拡大して以来、約1年半ぶり。16年12月に円安が大きく進んだ反動が主因で、日銀では企業物価について「引き続き強めの動き」(調査統計局)としている。

上昇品目数と下落品目数は、公表744品目のうち前年比で378品目が上昇、257品目が下落した。上昇と下落の差は121品目で、前月の144品目からプラス幅が縮小した。

同時に公表した2017年の国内企業物価は同2.4%上昇となった。プラスになるのは2014年以来、3年ぶり。消費税率引き上げの影響を除いたベースで、2008年の同4.5%上昇以来のプラス幅となった。

(伊藤純夫)