[12日 ロイター] - <為替> ユーロが対ドルで約3年ぶり高値を更新。欧州中央銀行(ECB)が緩和策縮小に向け用意を整えているとの観測から、ユーロ買いが継続した。

ECBが前日公表した昨年12月の理事会議事要旨は、ECBが2018年の早い時期に政策指針を微調整する可能性があることを示唆。投資家の間では、ECBが年内に大規模な債券買い入れの縮小に着手するシグナルと受け取られた。

主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.92%安の91.008。一時4カ月ぶり安値となる90.954をつけた。ポンドが急伸したことも、ドル指数を圧迫。英国の欧州連合(EU)離脱交渉で、スペインとオランダが柔軟な姿勢を示したとの報道を好感した。ポンド/ドル<GBP=>は1.43%高の1.3729ドル。

仮想通貨ビットコイン<BTC=BTSP>は3.8%高の1万3749.05ドル。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 利回りが急上昇した。 昨年12月の消費者物価コア指数が11カ月ぶりの高い伸びを示し、インフレ加速や年内利上げ期待を支えた。2年債利回り<US2YT=RR>は2%強と、2008年の金融危機以来の高水準をつけた。

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのワイトマン独連銀総裁が、利上げ切迫リスクは低いとの認識を示したことを受け、ユーロ圏債券利回りが低下した。米国債利回りも追随したが、なお前日終値水準を上回った。

来週は統計公表が多く予定されておらず、市場の関心は米政治情勢に向かう公算が大きい。つなぎ予算が19日に期限切れを迎え、議会が政府閉鎖回避に向け法案をまとめられるのかどうかに注目が集まりそうだ。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 連日の最高値更新。第4・四半期の銀行決算が好調だったことや底堅い小売売上高などが買い材料となった。JPモルガン・チェース<JPM.N>は1.7%高。第4・四半期決算は調整後の1株利益が市場予想を上回った。

税制改革法が成立するなか、企業が受ける減税効果を多くのアナリストが業績予想に完全に織り込んでいない可能性があり、投資家の間で、企業の2018年見通しが市場予想を上回るのではないかとの期待が広がっているという。

S&P500企業の四半期利益は平均で12.1%の伸びが予想されている。このうち金融セクターの伸びは13.2%が見込まれている。

銀行のウェルズ・ファーゴ<WFC.N>は0.7%安。四半期利益は予想を上回ったものの、顧客に無断で口座を開設していた問題などを巡る訴訟関連費用として32億5000万ドルを計上したことなどが材料となった。オンライン小売のアマゾン・ドットコム<AMZN.O>は初の1300ドル超えを記録した。終値は2.2%高の1305.20ドル。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> ドル安・ユーロ高の進行を追い風に前日までの騰勢を維持し、3日続伸した。2月物の清算値は前日比12.40ドル(0.94%)高の1オンス=1334.90ドルと、中心限月としては昨年9月11日(1335.70ドル)以来約4カ月ぶりの高水準。上昇はこれで5週連続となった。12月の消費者物価指数(CPI)を受け、米連邦準備理事会(FRB)による利上げペースが加速するのではないかとの見方が浮上。金利を生まない資産である金塊相場の頭を押さえた。しかし、金塊にはインフレヘッジとしての側面もあることから、売り一巡後は急ピッチで値を回復。また、この日は外国為替市場でドイツ政局の不透明感後退などを背景としたドル売り・ユーロ買いが進行し、ドル建ての商品に割安感が生じたことも金塊買いを後押しした。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> 対ユーロでのドル安などを背景に5営業日続伸した。米国産標準油種WTI2月物の清算値は前日比0.50ドル(0.80%)高の1バレル=64.30ドルと、中心限月ベースで2014年12月5日以来約3年1カ月ぶりの高値を更新した。外国為替市場では対ユーロでドル安が先行。ドル建てで取引される原油などの商品に割安感が生じ、原油が買われた。ロシアのノバク・エネルギー相はこの日、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の主要国が21日に開く合同閣僚監視委員会の会合では協調減産措置をスムーズに解除する可能性について協議される可能性があるものの「供給過剰は緩和されつつあるが、市場は完全にはまだ均衡が取れていない」と強調した。これを受けて、協調減産が目先は継続されるとの観測が広がり、原油が買われた面もあった。一方、米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが公表した国内石油リグ稼働数は、前週比10基増の752基となったことは相場の重しとなった。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]