[上海 6日 ロイター] -中国企業が相次いで社債発行を延期している。中国人民銀行がマネーの膨張を抑える中、借り入れコストが上昇していることが背景だが、これは中国が過剰投資を見直す機会となるかもしれない。

当局によると、12月年末時点の国と地方の債務残高の国内総生産(GDP)に対する割合は約58%に達した。エコノミストは、社債の発行残高は少なくともこの2倍の水準に達すると指摘する。

ただ、中国企業は相次いで社債の発行を延期しており、ロイター集計によると、ここ2カ月で少なくとも35社が総額590億元(97億5000万ドル)の社債の発行を延期した。

中国人民銀行がマネーの膨張を抑え、過剰投資の抑制に動くなか、借入コストは上昇しており、企業は社債の発行を見送っている。

ナショナル・インターバンク・ファンディング・センターによると、指標となるトリプルA格付けの期間5年の社債の利回りは、5月中旬には4.51%だったが、12月31日、過去最高の6.36%をつけた。

ソシエテ・ジェネラル(香港)の中国担当エコノミスト、YaoWei氏は「金利上昇に伴い、クレジット需要は低下する。社債発行の見送りはそれを表しているひとつの例だ」と語った。同氏は、社債の発行体は主に国有企業だが、民間企業は国有企業よりも信用収縮の影響を受けている可能性があると指摘する。通常民間企業は国有企業よりも資本を効率的に活用するため、こうした状況は中国経済にとり好ましくない。

Wei氏は「民間部門の資金需要が急速に落ち込んでいることが社債や銀行融資のデータには示されていない」と指摘し、高金利が2014年の経済成長を圧迫するとの見方を示した。