【薬師院仁志】英国のEU離脱で揺らぐ、北アイルランド問題のゆくえ

2018/1/5

2018年の欧州政治は、英国の混迷に特徴づけられることになるだろう。ただし、この手の政治予測は、ほとんど当たらないのが通例だ。

それでも、起こりうる事態に関して想像力を働かせておくことは無意味ではあるまい。船に救命いかだを積み、自動車にエアバッグを装備するがごとくである。

炎上は、往々にして小さな火元から発生するものであるが、英国とアイルランド共和国とを隔てる約500キロの国境線が、かすかな火花を点滅させつつある導火線のように感じられてならない。

コメント

注目のコメント

• 薬師院 仁志

  帝塚山学院大学 教授

  ・2018年01月05日

  ヨーロッパが二度の世界大戦を経て辿り着いた価値観は、やはり「共存」の重要性だと感じる。誰しも現状に不満を持つのは当然だ。だが、助け合いによる共存を忘れてしまったのでは、愚かな歴史を繰り返すだろう。人類文明が何千年もかけて辿り着いたのが、勝ち負け争いであるのは虚しい。もちろん、一足飛びに人類の共存が実現するわけではない。それでも、次の世代に少しでも平和で住み良い世界を残すことが、我々の課題であろう。ヨーロッパ諸国が共存と連帯を維持できるかどうかは、人類の方向性でもある。
• Funahashi Kazuki

  研究者

  ・2018年01月05日

  イングランド、アイルランド、ウェールズ、スコットランドがなんでこんなに領土問題やらなんやらと色々な問題があるのかを知るためには、歴史的な背景を知る必要があるな。
  
  ここは勉強しておきたいな。
  自分への課題。
• 木下 渉

  Spir, Inc. プログラマ

  ・2018年01月05日

  わかりやすい。ある国や地域の例を認めると、それが他の地域に飛び火する危険性がこれだけあるんですね。複雑な背景を持つ国や地域が作ってきたEUの難しさを感じます