[ベルリン 15日 ロイター] - ドイツの社会民主党(SPD)のシュルツ党首は、メルケル首相率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)との連立政権樹立に向けた予備折衝を開始することに合意したと述べた。

SPDは2013年以降、CDU・CSUと連立を組んできたが、9月の総選挙では得票率が第2次世界大戦以来の低水準となった。当初は下野すると主張していたが、メルケル首相と少数政党2党との連立協議が決裂した後、新たな連立政権樹立を検討するよう説得を受けた。

シュルツ党首は、SPDがドイツの安定に貢献するため政権支援を検討する責任があると述べた。その上で、これまでの連立政権以上にSPDのアイデンティティーを強める方針を示し、医療や教育への支出拡大を要求すると表明。「これまでの大連立の継続はない」と述べた。

同党首は、本格的な協議は来年1月初めより前には開始しないとした。連立樹立の計画を巡っては党員が承認する必要があり、最終的な結果が出るには数カ月かかる可能性がある。

中道左派のSPDは保守のCDU・CSUから譲歩を引き出したいと考える一方で、双方は移民問題を巡り溝が深く、協議が長期化する可能性がある。

メルケル首相はCSUの党大会で演説し、SPDの決定を歓迎。安定政権の樹立に向けた迅速な取り組みを求めた。

ARDテレビの世論調査によると、CDU・CSUとSPDによる「大連立」を支持すると答えた有権者は全体の61%に上った。