[東京 14日 ロイター] - 楽天<4755.T>は14日、第4世代(4G)携帯電話事業に参入すると正式発表した。2019年中にサービスを開始、1500万人以上の加入者獲得を目指す。楽天の参入により、携帯電話の料金・サービス競争が加速する可能性がある。

総務省が来年実施する4G向け周波数(1.7ギガへルツ帯と3.4ギガヘルツ帯)の追加割り当てに申請する。認可されればドコモ、KDDI(au)<9433.T>、ソフトバンクに続く第4の携帯電話会社が誕生することになる。

楽天は現在もNTTドコモ<9437.T>から回線を借りて携帯電話サービスを展開しているが、自ら回線を持つことで、より柔軟にサービスを提供できる体制を整える。

事業開始に向け新会社を設立。基地局設置など費用がかかることから、資金調達も検討する。2019年のサービス開始時に約2000億円、2025年に最大約6000億円の調達残高を見込んでいるが、その後は減らしていく。資金は全額、銀行借り入れ等で賄う予定。

日本の携帯電話市場は「協調的寡占」の色彩が強い中で、価格競争が働きにくい状況にあった。このため、総務省は仮想移動体通信事業者(MVNO)の参入を促すなどして、競争環境を整備してきた。

ただ、MVNOの利幅は薄く、多様なサービスを提供するには限界がある。楽天は自ら携帯電話会社の経営に乗り出すことで、自社で手掛ける電子商取引(EC)など他のサービスとの連携を強める方針だ。

*内容を追加しました。

(志田義寧)