[13日 ロイター] - <為替> 米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表後にドルが下げ幅を拡大した。連邦準備理事会(FRB)は13日までのFOMCで大方の予想通り政策金利を引き上げ、来年は3回利上げするとの想定を維持した。

終盤の主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.44%安の93.683で、一時7日以来の安値の93.596まで下落した。

ドルは朝方から既に軟調だった。11月米消費者物価指数(CPI)の変動の大きい食品・エネルギーを除くコアの前年比上昇率が1.7%と、10月の1.8%から鈍化し、来年の利上げ回数が減るとの見方が浮上したためだ。

クレディ・アグリコルの外為ストラテジスト、バシリ・セレブリアコフ氏は「焦点はコアCPIにあり、それが市場予想を下回った。FRB(の利上げ)は来年かなり緩やかになるというわれわれの考えも裏付けられている」と指摘した。

<債券> FOMCの結果を受け、国債利回りが低下した。

米FRBはフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を予想通り1.25─1.50%に引き上げることを決定。2018年の金利見通しを維持すると同時に、成長見通しを上方修正した。

FOMC声明を受け、指標10年債利回り<US10YT=RR>は2.369%と、前日終盤から約3ベーシスポイント(bp)低下。2年債利回り<US2YT=RR>も前日終盤から2bp低下し1.811%。

声明発表後に行われたイエレンFRB議長の記者会見終了後も、利回りは同水準近辺で推移した。

<株式> 銀行株の下げが重しとなってS&P総合500種<.SPX>が小反落した。米FRBはFOMCで予想通り利上げを決定したが、米成長見通しを引き上げながらも今後数年間の金利見通しは据え置いた。

ダウ工業株30種<.DJI>とナスダック総合<.IXIC>は上昇したが、FOMC声明発表後の値動きの荒い展開の中でS&Pは高値を維持できず、終盤にかけて銀行株の下げに押されてマイナス圏で引けた。

銀行株は通常、金利が上昇すれば利益拡大への期待が高まるが、S&P金融指数<.SPSY>はこの日1.3%下落。市場はFRBに対しよりタカ派的なトーンを見込んでいた可能性がある。

PNCウェルス・マネジメントのチーフ投資ストラテジスト、ビル・ストーン氏は「FOMC声明はかなりハト派的だった」と述べた。

<金先物> 対ユーロでのドル安進行に伴う割安感などを背景に買いが入り、5営業日ぶりに反発した。中心限月2月物の清算値は前日比6.90ドル(0.56%)高の1オンス=1248.60ドルとなった。

米労働省が朝方発表した11月のCPIは季節調整後で前月から0.4%上昇し、市場予想(ロイター通信調べ、中央値)と一致。ただ、変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数は0.1%上昇にとどまり、市場予想の0.2%上昇を下回った。これを受けて、外国為替市場ではドル売り・ユーロ買いが加速。ドル建てで取引される金塊などの商品に割安感が生じたことから、金が買われた。

<米原油先物> 米国内の産油量増加やガソリン在庫の拡大を嫌気した売りに圧迫され、続落した。米国産標準油種WTIの中心限月1月物の清算値は前日比0.54ドル(0.95%)安の1バレル=56.60ドル。2月物は0.57ドル安の56.59ドル。

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