[フランクフルト 11日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)銀行監督委員会のダニエル・ヌイ委員長は、経済成長の加速や債務の減少に伴い、ユーロ圏内の銀行の合併が増えるとの見通しを示した。ポルトガル紙パブリコの取材に答えた。

ECBは以前から、欧州には銀行が多過ぎ、セクターの効率性や利益を圧迫しているとの見方を示しており、弱い銀行は中銀の超低金利政策を実体経済に十分伝達できていないとしていた。

委員長は「成長が回復し、不良債権に関連する多くの処理が終わりつつある中で、国内やクロスボーダーで多くの合併が実現するだろう」と予想。不良債権処理の水準を下げるECBの努力を擁護する一方で、ユーロ圏域内の不良債権処理に関する新たな指針の導入は数カ月延期すると示唆した。

委員長は「業界からのフィードバックの分析に1、2カ月を要するだろう」と指摘、「導入が数カ月延期される可能性が非常に高い」と話した。ただ、2019年までずれ込むことはないという。

委員長は、既存の不良債権に関して別途提示された提案について、概要は未定であるものの、予定通り来年第1・四半期に詳細を明らかにすると表明。「既存の不良債権に関し、同四半期末に定量的見通しに関する公表を行う予定だ」と述べた。

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