[ロンドン 11日 ロイター] - クレジット会社ビザが11日発表した11月の英消費支出(インフレ調整後)は前年同月比0.9%減少した。海外旅行など高額商品の購入が控えられたためで、クリスマス期の支出も5年ぶりの減少となる公算が強まった。

11月の減少率は前月の2.1%よりは小幅となったが、クリスマス期だけでなく2017年通年でも消費支出が2012年以来5年ぶりに減少する公算が強まった。

項目別では自動車やクリスマス休暇中の海外旅行など、高額商品が大幅に減少した一方で、化粧品など価格が抑えられたぜいたく品は増加した。

ビザの幹部、マーク・アンティポフ氏は「人々は小型のぜいたく品を志向し、大型商品については財布のひもを締めている」と指摘。

ビザによると、11月終盤の「ブラックフライデー」セールはネット通販の売り上げを押し上げたが、その余波で小売店舗が低迷した。

これとは別に、英商工会議所(BCC)は11日、2019年までの経済成長予想を引き下げた。インフレ率が賃金の上昇率を上回る見通しであることが理由で、17年は1.5%、18年は1.1%、19年は1.3%と見込んでいる。

ロイター調査のエコノミストは18年の成長率を1.3%、19年を1.5%と予想している。

BCCのエコノミスト、シュレン・シル氏は「英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を巡る不透明感と企業が直面するコスト圧力が企業投資を圧迫する見通しで、賃金の実質成長率の低下は引き続き消費支出への重しとなる」と述べた。