[ニューヨーク/シドニー 10日 ロイター] - 米CBOEグローバル・マーケッツ<CBOE.O>が運営するシカゴ・オプション取引所(CBOE)は10日、仮想通貨ビットコインの先物取引<0#XBT:>を開始した。買いが優勢となるなか、1万5000ドル台で始まり、その後一時21%値上がりした。

取引は米東部時間10日午後6時(日本時間11日午前8時)にスタート。

先物1月限<XBTG8>は1万5460ドルで始まり、一時1万5420ドルに下落したがすぐに切り返して1万8700ドルに上昇した。

0430GMT(日本時間午後1時半)のレートは16%高の1万7940ドル。取引高は2211枚。

ウィンクルボス兄弟が運営するジェミニ取引所がオークションで決定するドル建て価格に基づいて現金決済する。

ルクセンブルクに本拠を置く取引所ビットスタンプの取引価格<BTC=BTSP>は7%高の1万5720ドル。現物価格は年初から1400%以上膨らんでいる。先物取引開始への期待もビットコイン急騰の一因となった。

CBOEはウェブサイトへのアクセス集中で「一時つながりにくくなる可能性がある」と警告した。

先物上場についてビットコインの支持者らは、厳しい規制下で取引され、ウォレット(電子財布)に登録せず投資できる商品が加わることが利用拡大につながるとの期待感を示している。ただ、投資家や清算機関に対するリスクは残るとの声も聞かれた。

アナリストらはまた、先物取引開始によって現物の急激な動きが若干抑制される可能性を指摘した。

チャールズ・シュワブのトレーディング・デリバティブ部門バイスプレジデント、ランディー・フレデリック氏は「ビットコインに現在関与してない多くの人々に市場が開かれた」と分析。

ただ、米国の大手銀行や証券会社の反応はまちまちとなっている。

チャールズ・シュワブ<SCHW.N> やTDアメリトレード・ホールディング<AMTD.O>を含む複数のオンライン証券は直ちにビットコイン先物は取り扱わない方針。

また、英紙フィナンシャル・タイムズは、JPモルガン・チェース<JPM.N>やシティグループ<C.N>がビットコイン先物の顧客の取引清算には直ちには応じない方針だと報じた。

ゴールドマン・サックス<GS.N>は7日、一部顧客への清算に応じる計画を明らかにしていた。

*内容を更新しました