【求人掲載】10年計画を描けるコンサルタントがいる会社

2018/2/23
社会に出て5〜10年のキャリアを積むと、チャレンジ精神から新天地を求めるビジネスパーソンは多いだろう。新たな業界・職種に飛び込む人、今よりも挑戦的な同業企業に進む人、30歳前後にはさまざまな選択肢がある。それだけに、その道は千差万別。30代の転職のリアルを、三菱総合研究所に籍を移した2人からひもとく。

10年先まで見据えたコンサルティングができるか

──山越さんは、三菱総合研究所と同じコンサルティングファームからの転職ですが、動機は何ですか。
山越:「未来志向」のコンサルティングができることです。三菱総研が他と違うのは、10年後、20年後の「未来共創」をしていること。
コンサルタントに任される仕事は、数カ月から長くても数年でしょう。当社も一つひとつのプロジェクトは数カ月程度だったりするものの、お客様との関係性が非常に強く、10年、20年またはそれ以上の長いスパンでさまざまな支援をさせていただいているお客様がたくさんいらっしゃいます
こうした長期的な関係の中で、お客様の経営や事業を「未来志向で」支援できるのが最大の魅力です。
──「未来志向」という言葉に山越さんがこだわるのは過去の経験からですか。
山越:前職で私が担当していたのは事業再生でした。お客様は主に赤字続きの大企業。衰退局面にある厳しい状態のお客様と一緒に、V字回復に向けた戦略を練り、経営再建計画を策定し、十数行の金融機関から金融支援を取り付けることが主な仕事でした。
コンサルタントは、どんなに親身になっても部外者ですから、どんなプロジェクトでもいずれはお客様の元を離れなければなりません。
そして、当時の私の仕事は、金融支援を取り付けるまで。それがすごく残念でした。マイナスをゼロに戻してから、プラスに転じてお客様とともに成長を喜ぶことができなかったのがつらかったのです。
そこで、より長期的な視点からお客様のさらなる飛躍を支援できるコンサルティングファームに籍を移そうと決めたのです。
前職ではそれが絶対にできないというわけではありません。しかし、外資系コンサルティングファームの多くは短期的な成果を求められることが多い。国内のコンサルティングファームも同様かもしれないとは思いましたが、調べる価値はあると思い、転職活動を始めたのです。

役に立っている実感、キャリアの広がり

──門川さんの転職の動機は何ですか。前職はトヨタ自動車のエンジニア。畑違いの場所からの転身です。
門川:新卒で入ったトヨタでは、最初の6年間は本社でトランスミッションなど主要部品の製品開発に携わり、その後の2年間は長期的な視点での研究開発(R&D)に携わっていました。
学生時代の就職活動では、大学で得た知識や経験が生かせ、より多くの人の役に立てそうな仕事は何かという観点で就職先を探索していました。メーカーだけではなく様々な業界を検討しましたが、幼い頃から自動車が好きだったこともあり、最終的には、世界を舞台に活躍するトヨタを就職先として選びました
トヨタでの8年間、新製品の開発や原価低減業務など、社内の開発関係者と侃々諤々の議論を繰り返しながら、“いいもの”をつくるための仕事をしてきました。
大勢の仲間で一つのものをつくり上げるプロセスは大変ではありましたが、完成した際の達成感は何ものにも代えがたいものがありました。
一方で、社内とのやりとりが中心であることや、自分が担当しているのは約3万点という膨大な数の部品からなる製品の一部ということから、もっと直接的にお客様の役に立ちたいと感じていました。
このように思いながら仕事をしてきたこともあり、お客様からダイレクトにフィードバックを受けられる仕事に漠然と憧れがあったのです。
転職を考えた際には、さまざまな職種を検討しましたが、真っ先に候補として挙がったのはコンサルタントでした。トヨタで学んだことが生かせ、また先に述べたような思いを実現できそうだと感じたことに加え、非常に大きなポイントは「自分の名前」で仕事ができるという点です。
一般的に事業会社では、「自分の名前」で仕事をするには相当なポジションに上りつめないと実現できないと思います。「バイネーム」で外から仕事が集まるようになるならば、こんなに嬉しいことはないと思ったのです。
──その思いは、今の職場で実現できていますか。
山越:入社して確信したのですが、三菱総研は長期的な信頼関係で結びついているお客様が本当に多い。
プロジェクトの遂行期間は他のファームと同様で数カ月程度ですが、遂行している案件の質が異なります。足元の業績改善よりも、10年先、20年先を見据えた将来ビジョンや、全社戦略および事業戦略の検討、新規事業開発支援など、未来志向の案件が圧倒的に多いのです。
私も念願だった、長期的な視点でお客様の飛躍を支援する機会を得て、現在ある大手食品メーカーのお客様で、2030年を見据えた長期ビジョン、あるべき会社像をつくるというプロジェクトに参画しています。
既存事業の枠組みを超えて、2030年の未来に向けてお客様が企業としてどのような方向に進んでいきたいか、そのためにはいつまでに何をしないといけないか、経営層や次世代幹部候補の方々十数名と一緒に検討を深めています。
このケース以外にも、業界のトップクラスの企業から、10年先を見据えた全社戦略の策定や新規事業開発支援などの問い合わせが多く、外資系にはない魅力がある会社だと入社して改めて感じました。
通常、3~5年の中期経営計画を策定する企業は多いですが、中には10年先を見越した経営計画を立てる企業もあります。ただ、10年先を支援できるようなコンサルティングファームは三菱総研くらいだと思います。
なぜなら、シンクタンクとコンサルティングの機能を併せ持つ三菱総研には、将来における政策動向や技術動向、消費者動向といった、未来を洞察するうえで必要な知見が豊富にあるからです。
三菱総研は日本を代表するシンクタンクとして官公庁の仕事に数多く取り組んでおり、そのなかで国内外の政策動向や先進的な技術動向に関する深い知見を蓄積しています。
また、独自の分析ツールや分析ノウハウを駆使して生活者動向や業界動向を深く把握しているため、明確な根拠をもって、10年先の未来を見通すことができます。こうしたシンクタンクとコンサルティングの圧倒的な強みを生かせるため、三菱総研には未来志向の話が多いのではないかと思います。
門川:お客様の考え、課題、悩み、ビジョンにいつも触れ、それに対する私なりの提案をし、良いことも悪いこともフィードバックが直接返ってくる。とても刺激的です。
また、一人ひとりの職掌と裁量が大きいのも、この仕事の魅力の一つだと思っています。やる気さえあれば当社ウェブページへのコラム掲載や書籍の執筆など、外部への情報発信を「自分の名前」で行うことができます。
加えて、キャリアも広がっています。三菱総研は、ほかのコンサルティングファームよりも1人のコンサルタントが一度に担当するプロジェクトの本数が多く、自分の専門を拡大させるチャンスがたくさんあります。
山越:それはあるかもしれません。お客様先に常駐するタイプのコンサルティングファームの場合、経験できるのは多くても年間3プロジェクト程度だと思います。私もそうでした。
ソリューション系や業務改革等の案件では一部常駐もありますが、私の所属する本部ではこのような常駐型の仕事はほとんどなく、マルチタスクで、5~8つの案件を並行して遂行しています。
しかも、プロジェクトの内容は多種多様。業種・業界もさまざまですし、新規事業開発があれば長期ビジョン策定支援もある。官公庁向けの調査研究、人事制度改革、買収後のPMI支援などバラエティに富んでいます。
また、最近は「Think & Act」といって、上流のプランニングだけでなく、実現まで伴走することを会社として掲げており、新規事業の実証実験や立ち上げ支援などの案件も多くなってきています。
門川私は前職がトヨタだったので、自動車関連の仕事に携わることは多いですが、それに派生して、IoTやICTなど新しい領域での事業創出支援にも入社以来携わってきており、キャリアの広がりを実感しています。
転職をするに当たり、前職の経験が生かせそうだという見込みはあったものの、私の場合は異業種・異業界への転職、いわゆるキャリアチェンジに近いものがあったので、入社前は不安と期待が入り交じった気持ちでした。
転職してから、同期相当の人たちにキャッチアップするために、私生活を犠牲にして仕事や自己研鑽に打ち込む必要が少なからずありましたが、お手本となる先輩の下でコンサルタントとしてのイロハをOJTで教えてもらい、スムーズにコンサルタントとしてのスタートを切ることができました。
最初に担当したのが、インダストリー4.0の調査だったのですが、入社後間もないのに、ドイツでの現地調査を任せてもらえました。少し難易度の高い仕事であっても、やる気次第でチャレンジさせてくれる職場環境も自身の成長に非常にプラスに働きました。現在は、プロジェクトマネジャーも任されるようになってきているところです。

入って変わったこと、気づき、発見

山越:それと、働き方もかなり変わりました。事業再生を担っていた時は、お客様の経営が立ち行かなくなるまでに巨額の金融支援を取り付けなければならないので、どうしても緊急対応が多かったです。
ギリギリのスケジュールで動くのと、忙しい案件を任されることが多かったので、ゆっくり休んだ記憶がほとんどありません(笑)。
三菱総研は働き方改革にも取り組んでいて、多様で柔軟な働き方ができています。平日は定時で帰れる日もありますし、平均して20時には帰宅。個人的なことですが、子どもも生まれて、家庭での生活も大事にしたかったところでしたから、すごくありがたい環境です。
門川:私の場合は正直なところ、前職と比較すると忙しさはだいぶ増してはいますが、やりたいことをやらせてもらえる職場環境のために、仕事への取り組み姿勢が転職前と比べ大きく変わったことに自分自身驚いています。
以前は、どこからともなく降ってきた仕事に対して、否応なく取り組むことが多かったのですが、当社は手を挙げればやりたい案件に携われることが多いので、自ら積極的に仕事を取りに行くようになりました。逆に、外してほしい仕事は正当な理由があれば外してもらえます。
山越:確かに。硬そうな企業だと思っていましたが、柔軟で自由な雰囲気には入社して驚きました。
面接の時に、「自分の良さを広めたり、新しい文化を作ったりしてほしい」と言われたので、入社して1ヶ月も経たない頃から、社内で読書会や勉強会などさまざまなイベントも企画運営しています。
今は、若手から中堅のメンバーで構成する次世代コンサルティングを考えるチームのリーダーとして、将来を見据え、ありたい姿をディスカッションしています。
門川:私は、所属グループの重点4領域のうちの1つのIoT・AI推進チームのリーダーを担っています。この領域は外資系企業との競争が厳しい領域だと感じていますが、シンクタンク部門も含めて新しいテクノロジーに対する知識や経験は負けないと思っています。
こういった三菱総研の強みや、新しい取り組み、イノベーティブな顔を積極的に外部へ発信し、当社コンサルティング部門の存在感を示していきたいと思っています。
強固な経営基盤とチャレンジを促す職場環境の下で、私たちのような若手がさまざまな活動を通じて新たな三菱総研の一ページを作っていければと思っています。
(取材・編集:木村剛士、文:田村朋美、写真:長谷川博一)