[ワシントン 7日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は7日、銀行ストレステスト(健全性審査)のプロセスを修正することを提案した。市場のショック時にポートフォリオがどう変動するかについて、銀行側に提供する情報を大幅に増やすことが狙い。

具体的には、テストモデルの下で融資ポートフォリオがどのような反応を示すかを銀行に初めて提示するほか、バランスシートを審査する際のシナリオの詳細を提供する。

米大手金融機関は現行のプロセスが多くの時間と人手を必要とすると不満を示しており、こうした情報提供の強化は銀行にとって大きな負担軽減になるとみられる。株主への利益還元にはストレステストによる承認が必要とされることから、審査合格を予測しやすくなれば資本計画にプラスになることも考えられる。

変更案では、毎年の審査前にFRBが仮定の融資ポートフォリオを提供し、テストモデルに基づく変動の様子を銀行側が確認できるようにする。これにより、銀行はFRBに預け入れた資産と比較でき、自社のモデルとも対比できるようになる。

このほか、FRBは計算式や変数などを含む審査モデルの詳細を明らかにする方針。また、経済危機時の住宅価格の予想下落幅などについても情報提供を強化する。

FRBはこの変更について、来年1月22日までにパブリックコメントを募集する。

今回の措置は10月に就任したクオールズFRB副議長にとって初めての大幅な政策変更。ただ、FRB当局者はこれまでも、審査の透明性を向上する方針を示してきた。

*内容を追加します。