[20日 ロイター] -イエレン米連邦準備理事会(FRB)副議長の議長指名に関する審議打ち切り動議が米上院で可決されたことを受け、年明けに議長人事の議会承認が得られる見通しとなった。

イエレン氏は、来年1月31日で任期が切れるバーナンキ現FRB議長からバトンを引き継ぐことになる。

イエレン氏についての5つの重要事項は以下の通り。

◎イエレン氏(67)はFRBで初の女性議長となる。先進国の中央銀行では、女性のトップは6月に指名されたロシア中央銀行のナビウリナ総裁に次いで2人目。

◎イエレン氏は、インフレ高進のリスクを踏まえても失業率を引き下げる戦略を好ましいと考えており、金融政策のハト派とみられている。同氏は1995年、「(FRBの)目標が相反して過酷なトレードオフが求められる事態になった場合、私にとって賢明で人道にかなう政策は、インフレが目標水準を上回って推移している局面でさえ、時にはインフレ率の上昇を容認することだ」と発言している。

◎イエレン氏は政策決定で豊富な経験を有している。FRBの副議長に就任する前の2004年から10年まではサンフランシスコ地区連銀の総裁、1994年から97年まではFRBの理事を務めた。97年から99年はクリントン政権下で経済諮問委員会(CEA)委員長の責務を担った。

◎イエレン氏はエコノミストとして広く尊敬されている。エール大学で博士号を取得、カリフォルニア大学バークレー校やハーバード大学、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで教鞭を執った。ユースギャングやシングルマザー、最適な金融政策、賃金と物価の硬直性、貿易といったさまざまなトピックに関する研究を発表している。

◎夫はノーベル賞を受賞した経済学者のジョージ・アカロフ氏。イエレン氏とアカロフ氏はともにFRBのエコノミストだった1977年に知り合い、翌年の6月に結婚。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで教鞭を執るためFRBを離れた。夫婦で多数の論文を共著している。夫妻の唯一の子は現在、大学で経済学の教授となっており、13歳になるまでに経済学を志したという。