[ニューヨーク 22日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、米経済指標やの連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨などを受け、ドル指数が10月以来の水準に低下した。

連邦準備理事会(FRB)が午後に公表した10月31日─11月1日の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨では、政策担当者の多くが金利を「近い将来」に引き上げる必要があるとの見方を示していたことが判明。ただインフレが抑制された状態が続くなか、政策担当者が12月の利上げの是非に疑問を呈し始めている可能性があることも示唆され、ドルは下落した。

主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.75%低下し、10月20日以来の低水準を付けた。

ドル/円<JPY=>は1%を超えて下落し、9月下旬以来の安値を更新。1日の下げとしては5月以来の大きさとなった。ドルはスイスフラン<CHF=>のほか、南アフリカランド<ZAR=>、ロシアルーブル<RUB=>、ブラジルレアル<BRL=>などの新興国通貨に対しても約1%下落している。

ユーロ/ドル<EUR=>は1.1827ドルと、5日ぶりの高値をつけた。

朝方発表された10月の米耐久財受注統計は、民間設備投資の先行指標とされるコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)の受注が前月比0.5%減と、4カ月ぶりにマイナスに転じ、2016年9月以来の大幅な落ち込みとなった。このほか、11月の米ミシガン大消費者信頼感指数(確報値)では長期期待インフレの低下が示された。

こうした経済指標が基本的にドル売りを誘発したと見られているが、アナリストは23日に米国で感謝祭の祝日を控えていることで商いが細るなか、相場の振れが拡大されたと見方を示している。マッコーリーのグローバル金利・外為ストラテジスト、ティエリー・アルバート・ウィズマン氏は「ドルの下落はテクニカルなもので、基調的なものではない」としている。

BMOのグローバル外為戦略部門責任者、グレッグ・アンダーソン氏は、ドルが高リスク通貨、および安全通貨に対して軟調となっていることはドルのこのところの上昇が終わりつつあることを示していると指摘。「12月にドルは再び軟調気味になると予想される。年明けには一段と軟調になる可能性がある」との見方を示した。

(表はロイターデータに基づいています)