[バグダッド 20日 ロイター] - イラクの最高裁は20日、北部クルド自治政府が独立の是非を問うため実施した住民投票は違憲であり、結果は無効だとする判決を下した。最高裁の報道官が明らかにした。

クルド自治政府が9月25日に実施した住民投票は、イラクからの独立賛成が大多数を占めた。住民投票に対しては、イラク中央政府だけでなく、少数派としてクルド人を抱えるトルコやイランも反対していた。

最高裁は、クルド自治政府などの地方と中央政府間の紛争解決を担う。最高裁の決定に上訴はできない。

最高裁の報道官は「裁判所は、クルド自治政府の住民投票は違憲だと判断した。これは最終判決だ」とし、「この判決により住民投票の結果は全て無効だ」と述べた。

中央政府は10月16日に、クルド側が実効支配していた油田地帯キルクークなどの係争地に軍を進め制圧した。

最高裁は11月6日に、イラクのいかなる地域や州も分離することはできないとの判断を示しており、自治政府は先週、この判断を尊重する意向を示し、中央政府と対話する姿勢を示していた。