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[バンコク 20日 ロイター] - タイ国家経済社会開発庁(NESDB)が発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)は前年比4.3%増と、伸び率は2013年第1・四半期以来4年半ぶりの高水準を記録した。ただ、季節調整済み前期比では1.0%増に鈍化、依然さえない内需を支えるため緩和的な金融政策が維持される見通しだ。

今年のタイ経済は輸出と観光業がけん引してきたが、弱い内需や大規模インフラ事業の遅れを背景に、他のアジア諸国の成長率を下回っている。

第3・四半期GDPはロイターがまとめた市場予想(前年比3.8%増)を上回った。第2・四半期のGDPは、前年比3.7%増から3.8%増に改定された。

第3・四半期の前期比伸び率も、市場予想(0.75%増)を上回った。第2・四半期は、前期比1.3%増から1.4%増に改定された。

キャピタル・エコノミクスはタイ経済について「堅調に推移する」見込みだとし、輸出についても「好調が続く」との見方を示した。

NESDBは、2017年のGDP予想を3.5─4.0%増から3.9%増に修正。輸出の見通しは5.7%増から8.6%増に修正した。

2018年の予測は、GDPが3.6─4.6%増、輸出が5.0%増。

ロイターがまとめたGDPの市場予想は、2017年・18年とも3.6%増。2016年の実績は3.2%増だった。

通貨バーツ<THB=>が約2年ぶりの高値水準にあるにもかかわらず、タイの輸出はテクノロジー関連の好調を背景に2017年に改善している。第3・四半期の輸出は前年同期比12.5%増加した。

タイ中央銀行は2015年4月以降、政策金利を1.50%に据え置いている。次回の政策会合は12月20日に予定。

大方のエコノミストは落ち着いたインフレ動向を踏まえ、2018年まで金利据え置きを見込んでいる。

GDP:

Period Q3/17 Q2/17 Q1/17 Q4/16 Q3/16

Pct change

Q/Q (s/a) 1.0 1.4* 1.3 0.5 0.5

Y/Y 4.3 3.8* 3.3 3.0 3.2

*改定値