【教育】元プロが経済視点で算出。論理的“勝利至上主義”

2017/11/9
187センチ、92キロ。巨人や西武、イタリアでプレーした巨漢投手の小野剛は、現役引退から11年が経った現在もかっぷくのいい体つきで、ただ者ではない雰囲気を漂わせている。
「話したいことが山ほどあります。2時間話しますよ」とアポ取りの電話で言った通り、舌鋒鋭くしゃべり倒した。
プロ生活6年で実働2年、12試合に登板して未勝利。「負け組の一人です。なんでマウンドでビビったのか、後悔しかないです、人生」と振り返る。
だが、現在の姿は自信に満ちあふれている。現役引退後に経済学の修士を取得し、飲食事業から調剤薬局事業、素材や食品商社などを手がける株式会社GSLの最高経営責任者として成功を収めているからだ。
「プロ野球選手のセカンドキャリアをどうするかが会社の信念」で、最初に野球塾を立ち上げた。
しかし、それだけでは収益が上がらないと考え、2013年に中学の硬式野球チームを発足させる。小野が代表、元巨人の福井敬治が監督、元ロッテの田中良平が投手コーチを務める狭山西武ボーイズだ。
新興チームは2016年のボーイズ全国大会で準優勝を収めるなど、中学野球界で一気にその名をとどろかせるようになった。現在の部員は86人と盛況で、花咲徳栄や浦和学院、帝京、沖縄尚学など強豪私学に次々と卒団生を送り込んでいる。
月謝は2万7000円と近隣のチームより高めだが、親の送迎やお茶当番を設けないなど、徹底的な合理経営も人気の一因だ。