[東京 2日 ロイター] - 伊藤忠商事<8001.T>が2日に発表した2017年4─9月期(国際会計基準)の純利益は前年比19.9%増の2424億円と、中間期として過去最高となった。鉄鉱石や石炭価格の上昇などを追い風に金属事業の利益が2.5倍に拡大したほか、食料事業もユニー・ファミリーマート向け取引増加などで好調に推移した。

会見した鉢村剛・最高財務責任者(CFO)は「年間見通しに対する進ちょく率が61%で、極めて好調に推移した」と総括した。

事業別の純利益は金属事業が前年比2.5倍の371億円、食料事業が同11.6%増の551億円だった。鉢村CFOは「前年同期比では金属分野が目立つが、他の分野も好調に推移している」と指摘。「資源に頼らない収益構造を着実に進めていることの表れだ」と強調した。

非資源分野の利益は前年比10.1%増の2073億円と過去最高となった。

通期予想は据え置いた。純利益は前年比13.6%増の4000億円を見込んでいる。

鉢村CFOは「鉄鉱石、石炭価格はなだらかに下がってくという年初の見方は変わっていない」と述べ、業績予想について「資源価格が高騰したことによるプラスアルファをベースにした上方修正は考えなかった」と説明した。

同社は純利益予想についてバッファーとして200億円をみており、「このまま順調にいけば4000億円超えるレベルは当然あり得る」との見通しを示した。

品質データの不正問題で揺れている神戸製鋼所<5406.T>の製品については、取扱量は「それほど大きな金額ではない」として「影響はない」と語った。

(志田義寧)