【TMS速報】自動車業界はいま、必要なCHAOSの中にいる

2017/10/31

濱口秀司×ホンダ脇谷勉

東京ビッグサイトで開催中の東京モーターショー2017(11月5日まで開催)。NewsPicksがプロデュースする6日間連続のトークライブ「THE MEET UP」、10/30(月)にテーマは「クルマ×イノベーション」。
台風一過の秋晴れが広がった月曜日、立ち見続出の大盛況となったこのセッション。登壇したのは、イノベーション・シンキング(変革的思考法)の世界的第一人者、濱口秀司氏と、本田技術研究所の執行役員であり今年4月に新設した「R&DセンターX」センター長を務める脇谷勉氏だ。
成熟したと思われた自動車業界の変化が止まらない。イーロン・マスク率いる米国テスラモータースが躍進し、自動運転の実証実験が各所で始まる。
この変革の時代に必要なマインドセットとは何なのか、また、さらなるイノベーションのために必要なものとは? NewsPicks編集長の佐々木をモデレーターに、白熱の議論が繰り広げられた。

電気自動車は、クルマのモジュラー化を急速に進める

「クルマ=移動を手助けするものと定義すれば、人をおんぶして運ぶロボットもクルマ」とホンダ脇谷氏。
脇谷氏は「完璧な自動運転が実現すればこの世から事故はなくなるはず。そうなればウインカーやブレーキランプはもちろん、堅牢なボディも要らなくなる。車体が軽くなればエンジンも不要になるかもしれない。そういうところから考えて、青臭い議論を毎日やっている」と社内でイノベーションを推進する立場から、AIが普及した先にある未来を語った。
一方、濱口氏はEVが起こすイノベーションを「クルマでいちばんお金がかかるのがエンジンとシャーシ。EVがおもしろいのは、まずエンジンが要らないこと。そして、シャーシも適当でいいこと。つまり、業界のモジュラー化を大きく進める力学がある」と鋭く分析する。
「思い入れがありすぎて、苦手分野」と謙遜しつつ、自動車業界を巧みに分析する濱口秀司氏。
終盤「BEYOND THE MOTOR」には何が必要かと問われ「『CHAOS BEFORE BEYOND MOTOR』。BEYONDには、CHAOSがつきもの。いま、自動車業界はもっとも混沌としている状態。ロボティクス、AI、EVとさまざまな様子が入ってきていて、まさに夜明け前という感じで非常におもしろいタイミング」と締めくくった濱口氏。満員の会場から、ふたりに大きな拍手がおくられた。
(取材:今井雄紀 撮影:飯本貴子 編集:久川桃子)
オンデマンド配信中
THE MEET UPは、11/4(土)のピッチコンテストまで連日開催中。本日10/31(火)18時からは、「クルマ×サイエンス」をテーマにメディアアーティスト落合陽一氏と予防医学研究者・石川善樹氏が登場する。
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