[東京 26日 ロイター] - 日立製作所<6501.T>は26日、2018年3月期の売上収益予想を前年比1.5%増の9兆3000億円(前回予想9兆0500億円)に、調整後営業利益予想を前年比12.4%増の6600億円(同6300億円)に、それぞれ上方修正した。半導体製造装置の販売が好調な電子装置・システム部門や海外で販売を伸ばしている建設機械部門で予想を引き上げたことを反映させた。

営業利益予想はトムソン・ロイターがまとめたアナリスト18人の予測平均値6565億円を上回る。

一方、当期利益予想は日立国際電気<6756.T>の譲渡時期の変更で見込んでいた譲渡益が先ずれしたことから、前年比29.7%増の3000億円で据え置いた。

下期の為替レートは1ドル110円、1ユーロ120円を想定。為替が1円動いた際の営業利益に与える影響(感応度)は、対ドルが15億円、対ユーロが5億円で、レートが現行水準で推移すればさらに利益を押し上げる。

2017年4─9月期の売上収益は前年比0.5%増の4兆3764億円、調整後営業利益は同30.2%増の3032億円、当期利益は同41.5%増の1606億円だった。利益は上期として過去最高だった。

西山光秋最高財務責任者(CFO)は「コスト競争力の強化や低収益事業の構造改革等が進展して、着実に利益とキャッシュを創出できる形ができつつある」と総括した。

<安全性に問題なし>

同社が製造している新幹線や英国向け高速鉄道車両、一部通勤電車の車体、新幹線の台車の一部には神戸製鋼所<5406.T>が品質データを改ざんした材料が使われている。

これについて、西山CFOは「車体は必要な強度は満たしていて、安全性には影響がない」と指摘。台車も「設計上の強度は満たしており、現在のところ安全上の問題ない」との認識を示したが、「今後、お客様と相談して、交換等の対策が必要かどうかを検討する」とも付け加えた。関連費用を神戸製鋼に請求するかどうかなどについては「現時点で決まっていることはない」という。

(志田義寧)