発祥の地は中目黒。レモンサワーフェスで100種類を飲み比べ

2017/10/31
話題のレモンサワーを飲み比べ
酒場の定番ドリンク「レモンサワー」のお祭り「レモンサワーフェスティバル 2017 in 中目黒」が、2017年10月20日~21日の2日間、“レモンサワー発祥の地”中目黒で開催された。
「レモンサワーフェスティバル 2017 in 中目黒」はナカメアルカス(東京都目黒区)で開催。中目黒は、レモンサワー発祥の店「もつ焼き ばん」があった場所で、レモンサワーの聖地と呼ばれている
レモンサワーといえば、焼酎と炭酸、それにレモンというシンプルなレシピで、幅広い料理に合う居酒屋の定番ドリンク。中高年層を中心に手頃な値段で気軽に飲める酒として支持されてきたが、ここ数年で急激に進化を遂げ、幅広い世代から注目を集めている。
一番の進化ポイントは選択肢が広がったこと。これまでのレモンサワーは、コンクでつくる甘いレモンシロップを入れるものが一般的であり、甘く人工的な味わいだった。
オープニングイベントではAKB柏木由紀さんが登場!乾杯の掛け声でフェスが開催
しかし最近は甘味料を入れずに、国産生レモンを搾ったドライテイストのレモンサワーが増えている。すっきり爽やかな味わいは、料理の味を邪魔せず、食中酒としてぐいぐい飲める。
それだけでなく、糖質を抑えられ、さらにレモン自体の疲労回復効果のあるクエン酸も摂取できるとあって消費者の健康志向にもマッチしている。蒸留酒である焼酎には糖質ゼロ、プリン体が含まれていないこともポイントが高い。
進化形と言われるレモンサワーは、グラスに入れるレモンをまるごとすりおろしたり、レモンを漬け込んだり、凍らせたりと、そのバリエーションは日々増え続けている。これら「進化形レモンサワー」が、レモンサワー再評価のきっかけになっている。
「元祖系」「進化系」レモンサワーの名店が参加
レモンサワーフェスティバルの参加店は、じつに豪華。
レモンをまるごとミキサーにかけた「生おろしサワーレモン」の「食堂とだか」、漬け込んだレモンを使った「漬け込みレモンサワー」や、シンプルな「広島瀬戸内レモンサワー」など、バリエーションが楽しめる渋谷の「大衆酒場 酒呑気 まるこ」、そして池袋の「やきとんひなた」など都内で人気のお店が揃った。
もつ処 品濃酒場(横浜) 国産レモンと強炭酸のレモンサワー 600円 特製もつ煮 500円
そのほかに、大宮からは、氷の代わりに凍らせたカットレモンをふんだんに入れた「超炭酸氷冷プレミアムレモンサワー」を出す「創作居酒屋 いいとこ鶏」、横浜の「もつ処 品濃酒場」など、都内以外の話題店も参加。さながらレモンサワーの見本市のようになっていた。
なかでも「元祖系」で注目を集めていたのが「もつ焼きばん」。
昭和33年に中目黒に開店したレモンサワー発祥の店だ。当時、東京の居酒屋では、甲類焼酎を炭酸で割った「炭酎(たんちゅう)」や「酎炭(ちゅうたん)」が人気を得ていた。
伝説の「もつ焼きばん」では、店の定番のもつ焼きや煮込みといっしょに、レモンサワーを提供。懐かしい味にかつての常連も舌鼓を打っていた
「もつ焼きばん」でも炭酎を出していたが、あるとき、店主の小杉正さんが、カクテルの世界ではソーダ割りを「サワー」と呼ぶと知り、レモン味の炭酎をレモンサワーとしてメニューに乗せた。それがレモンサワーの始まりといわれている。
「もつ焼きばん」は中目黒の再開発にともない平成16年12月に閉店し、現在は中目黒と祐天寺に移転し営業している。レモンサワーフェスティバルでは“レジェンド”としての参加となった。
「進化系」レモンサワー  やきとんひなた(池袋) 瀬戸内レモンサワー チアシード入り 480円
レモンサワーだけで100種類
イベントに特別協賛した宝酒造は、10種類の甲類焼酎に5種類の国産レモン、2種類の炭酸を用意して100通りの組み合わせで注文できる「100通りのレモンサワー」を提供。500円で2種類のレモンサワーを飲み比べできるとあって、盛況だった。
宝酒造環境広報部広報課の大西悠介主事は「進化形レモンサワーの登場で、レモンサワーにスポットライトがあたることが増えて、うれしいですね。ただ、一般的にレモンサワーのこだわりポイントはレモンと炭酸に集中しがち。
しかし、ベースとなる甲類焼酎を変えるだけで、まったく味わいが変わるということを知っていただきたくて、出店しました」と話す。
大西主事は、本イベントの協賛理由についてこう語る。「いままで人気があったレモンサワーですが、昔ながらのお店や、他の参加店のように新しい飲み方を提案してくれるお店も増えています。
こうした進化形レモンサワーがSNSで話題になることが増え、レモンサワーを中心に新しい飲酒カルチャーが生まれているように感じます。
宝酒造はレモンサワーに欠かせない甲類焼酎のトップメーカーとして、こうした歴史や文化を一度整理し、お伝えできる機会だと考えました」と話す。
宝酒造の「100通りのレモンサワー」では、同社の甲類焼酎がズラリ。ベースとなる焼酎を変更するだけで、まったく異なる味になるのは驚きだ
一般的に「ピュアな味わいで個性がない」と思われがちな甲類焼酎だが、宝焼酎では「商品ごとに狙った酒質になるように、蒸留、貯蔵、ブレンド方法を変えて、味わいを決めており、それぞれ個性があるんです」(大西さん)。
宝酒造では、宮崎県高鍋町の黒壁蔵に85種類2万樽の甲類焼酎を樽貯蔵しており、これらの熟成酒をブレンドして、「純」「レジェンド」などの甲類焼酎を造っている。
レモンサワーフェスティバルは台風21号の影響もあったものの、2日間で約5000人の来場者を集めた。日頃は何げなく注文しているレモンサワーだが、参加店をハシゴして飲み比べることで、味と香りの違いを楽しく実感できた。レモンサワーの奥深さに触れられる楽しいイベントだった。
正能茉優と語る。レモンサワーでなければダメな理由
(取材、イベント撮影:鈴木桂水 編集:久川桃子 取材協力:dancyu総研 対談撮影:花井智子)