[ウェリントン 19日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)ファースト党のピータース党首は19日、第2党である労働党の政権樹立を支援すると表明した。労働党のアーダーン党首が同国3人目の女性首相となる見通し。

9月23日に実施された総選挙ではいずれの政党も過半数を獲得できず、新たな政権を樹立する上でポピュリスト政党であるNZファースト党が鍵を握っていた。

ピータース党首は記者団に対し「われわれは修正された現状維持を選ぶのか、それとも変化を選ぶのかという選択を迫られた」と指摘。「そのため、最終的にわれわれはNZファースト党とNZ労働党の連立政権を選択した」と述べた。

約10年に及んだ国民党政権は終わりを迎える。

発表を受けNZドル<NZD=D4>は1%以上下落し、約4カ月半ぶりの安値を付けた。市場では、政権交代とより保護主義的な政策への懸念が広がった。

アーダーン氏は37歳で、8月に党首に就任したばかり。それまで低迷していた労働党の支持率は急上昇し、総選挙で国民党を急速に追い上げた。

ピータース氏は、新たな政策発表はアーダーン氏次第と述べている。

労働党とNZファースト党は、同国への移住と貿易について規制強化を主張している。

キャピタル・エコノミクスのオーストラリア・ニュージーランド担当の首席エコノミスト、ポール・デイル氏は「経済の観点からは、労働党が与党となれば、これまで以上に経済成長を後押しする政策は期待できないというのがコンセンサス。移住の規制強化とより厳しい住宅政策により、国民党政権下より成長が減速する可能性がある」と述べた。

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