「中性子星」合体の現象 重力波で初観測
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今回の連星中性子星合体による重力波の検出とほぼ同時に受かった多波長電磁波観測のすごさは以下の4つにまとめられるだろう。多数の国、研究機関、研究者が関わるまさに地球規模のビッグサイエンスなので、ノーベル物理学賞初のチーム受賞になるかもしれない。昨晩遅くの記者会見を聞いていたが、興奮して鳥肌がなかなかおさまらなかった。
1.中性子同士の合体による新しいブラックホール形成の道筋を観測で明らかにしたこと。
2.ショートガンマ線バーストの起源が連星中性子星の合体であることを明らかにしたこと(予測より小さいなどいくつかの疑問点あり)。
3. 合体前に潮汐力によって中性子を撒き散らし、元素合成によって鉄以上の重い元素(金、ウラン、レアアース等)の生成を行う際に伴う放射現象(キロノヴァ)を観測し、特に太陽系の重元素構成の原因をほぼつきとめたこと。この放射は新星(ノヴァ)より1000倍明るく、超新星爆発(スーパーノヴァ)より1000倍暗いのでキロノヴァと呼ばれている。
4.宇宙論的にも意義深い。重力波検出から波源までの距離が分かり、電磁波観測から波源の位置が定まると、宇宙膨張による赤方偏移から宇宙の膨張率であるハッブル定数を決めることができる。
下記のApJ(アスロトフィジカルジャーナル、宇宙物理学・天文学分野の世界的なジャーナル)を見ると分かるが、一度の天体現象で一気に30本以上の観測論文が出ており、異常とも言えるほどのお祭り騒ぎだ!
http://iopscience.iop.org/journal/2041-8205/page/Focus_on_GW170817
>追記
今日のarXivでは151本の関連論文が。日本でも東大が記者会見やってましたね。本当になんという現象だ。
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