鎌倉・室町時代、「市場」が飛躍的に成長した理由

2017/10/9
独自の視点と卓越した才能を持ち、さまざまな分野の最前線で活躍するトップランナーたちが、時代を切り取るテーマについて見解を述べる連載「イノベーターズ・トーク」。
第108回は、名古屋市立大学大学院で、経済史を専攻する横山和輝氏が登場する。
マーケットや金融の制度が欧米よりも遅れていると言われる日本。だが、日本の歴史を紐解くと、徳川時代の日本には「先物取引」という世界初の金融システムが存在していた。
そして、意外にも、今日より徳川、明治、大正時代の方が日本は「市場経済」をうまく活用できていた、と横山氏は語る。
では、徳川時代に確立した世界最先端の金融・市場システムとは、どのような仕組みのものだったのか。
本特集(全5回)は、徳川時代の全国市場の源流となった、鎌倉・室町時代までさかのぼり、日本のマーケットがたどってきた歩みに焦点を当て、横山氏が研究成果を語る。
一般にはあまり知られていない「日本の市場の成り立ち」という歴史を掘り起こすと、経済発展の原動力となる「市場の機能を生かす工夫」が見えてくる──。