[東京 26日 ロイター] - 日本航空(JAL)<9201.T>と米ハワイアン航空<HA.O>は26日、業務提携すると発表した。日本━ハワイ路線でのコードシェア(共同運航)、搭乗するとたまるマイルでの連携、販売面などで協力する。提携は2018年3月25日から順次開始。

また、ハワイから日本経由でアジアに広がる路線でもダイヤ調整や販売活動などの協業を検討する。

日航は今回の提携により、今後さらに競争激化が予想されるハワイ便、アジア便のネットワークとサービスを拡充する。ハワイアン航空はこれまで全日本空輸<9202.T>と提携していたが、すでに全日空側に関係解消を通知しており、ハワイ路線に強い日航と新たに組む。

日航の植木義晴社長は同日の会見で、ハワイアン航空と提携した理由について「航空会社として目指すところが非常に似通っている」と話し、「JALの代表路線といっても過言ではないハワイ路線のサービスを強化する」と述べた。共同事業を検討するアジア路線としては香港、シンガポール、バンコク、ハノイ、ホーチミン、ジャカルタ、クアラルンプールなどが候補に挙がっている。

ハワイは日本人に人気の渡航先で、米デルタ航空<DAL.N>やユナイテッド航空<UALCO.UL>なども就航。今年6月にはハワイ路線初の格安航空会社(LCC)としてマレーシアのエアアジアX<AIRX.KL>が関西━ホノルル線を開設した。全日空は19年春から従来機に比べ2倍超の旅客を運べる超大型機「A380」をホノルル線に導入する計画で、競争激化は必至だ。

<ハワイアン航空社長「全日空に思うように近づけず」>

今回の提携はハワイアン航空からの打診で実現した。ハワイアン航空は日本への就航を開始した10年にも日航に共同運航などを持ち掛けたが、当時の日航は「破綻の真っ只中で、お断りせざるを得なかった」(植木社長)。結果、ハワイアン航空は全日空と提携した経緯がある。

ハワイアン航空のマーク・ダンカリー社長は会見で、ユナイテッド航空とも提携している全日空に「思うように近づけなかった」といい、全日空とは「戦略が違った方向に進み始めた」と説明した。

日航は1954年にハワイ路線を開設以来、現在は成田、関西、中部発でホノルル便を運航、今月15日には約7年ぶりに成田―ハワイ・コナ線を再就航した。ハワイアン航空も10年の羽田発を皮切りに、関西、札幌、成田からもハワイ路線を運航している。

公的支援を受けて再建した日航は3月末まで国による経営監視下にあり、路線開設や投資が制限されていたが、制限解除以降は攻勢をかけている。4月に約39年ぶりに羽田―ニューヨーク線を復活させ、9月には日本勢初の路線となる成田―メルボルン線を開設。7月にベトナムのLCC最大手ベトジェットエア、9月にインドのビスタラとの共同運航も発表している。

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(白木真紀)