[ニューヨーク 25日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場は、ユーロが急落した。ドイツの選挙結果やドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の発言、地政学的な緊張状態を背景に、安全資産とされる円などが買われた。
ユーロは対円<EURJPY=>で1.1%強安、1日の下落率では5月以来の大きさとなった。
ユーロはドル<EUR=>に対して1%前後値下がりし、昨年12月以来の大幅安を記録した。直近では0.9%安の1.1846ドル。
主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.5%高。
ドイツ連邦議会(下院)選挙でメルケル首相は4選を確実にしたが、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が躍進し、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)の得票率は1949年以来の低水準を記録した。
大連立を組んでいた社会民主党(SPD)のシュルツ党首は、最大野党として政府と対決していく意向を示した。
この日は北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相が、トランプ米大統領が北朝鮮に宣戦布告を行ったとの認識を表明し、ユーロ売りが加速した。
北朝鮮外相発言を受け、円が対ドル<JPY=>で上げに転じたほか、スイスフラン<CHF=>もドルに対し値上がりした。
直近の取引で、ドルが対円で0.35%安の111.61円、対スイスフランで0.25%安の0.9666フラン。
BKアセット・マネジメントのマネジングディレクター、キャシー・リエン氏は「北朝鮮の動きでユーロが対円で大きく売られ、ユーロ相場(全体)を圧迫した」と話す。
この日はまた、ドラギ氏がECBは「潤沢」な緩和を行う必要があると表明した。予想ほど前向きなトーンでなかったと受け止められ、ユーロの重しとなったと指摘する。
ドル/円 NY終値 111.72/111.75
始値 112.10
高値 112.32
安値 111.48
ユーロ/ドル NY終値 1.1846/1.1850
始値 1.1876
高値 1.1889
安値 1.1833
*表を更新しました。
(表はロイターデータに基づいています)