[ロンドン 14日 ロイター] - 英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)が14日公表した調査によると、ロンドン中心部の8月の住宅価格は2008年以来の大幅な下落をみせた。一方、国内の他の地域では上昇した。

8月のRICS住宅価格指数(「上昇」との回答から「下落」との回答を引いた数値)はプラス6で、4年ぶり低水準だった7月のプラス1から上昇した。

8月の指数は、ロイターのまとめたエコノミスト予想をすべて上回った。ただRICSによると、指数は全国価格の小幅上昇と一致したものにすぎないという。

英住宅市場は、欧州連合(EU)離脱が決まった2016年6月の国民投票以来鈍化している。公的な統計によると当時、住宅価格の上昇率は年間8%程度だったが、現在は約5%となった。

ロンドン中心部は鈍化の影響をまともに受けており、一部は、EU離脱による金融サービス業や関連セクターへの影響に対する懸念を反映したものとみられる。ロンドンの住宅価格は過去20年間で4倍以上となり、多くの住民には手の届かない水準となっていた。

RICSによると不動産鑑定士からは、ロンドン並びに南東部の住宅価格は国内で最も過大評価されているとの見方が多かった。南東部の住宅価格も下落した。

ロンドン中心部では、「価格が下落した」と答えた鑑定士が「上昇した」と答えた鑑定士を56%上回った。今後1年にわたり価格下落が見込まれる地域は、英国全体でロンドン中心部だけだという。

一方、北アイルランド、英北西部と南西部、スコットランドでは価格上昇がみられたもようだ。