ビールとコーヒーの歴史に学ぶ「長く残るコンテンツの条件」
2017/9/5
蒸留酒はお酒の通貨価値を高めた
鳩山 『歴史を変えた6つの飲物』には、コーヒー、紅茶、ワイン、蒸留酒など身近な飲み物の歴史とともに、それらが「通貨」としての役割を果たしていたことが書かれています。
宇都宮 確かにこの本には、ピラミッドを造る労働者の報酬がビールで渡されていたという話が出てきます。人間はお茶やアルコールなどの嗜好品をそれくらい大事に思っていたんですね。
プレミアム会員限定の記事です
今すぐ無料トライアルで続きを読もう。
オリジナル記事 7,500本以上が読み放題
オリジナル動画 350本以上が見放題
The Wall Street Journal 日本版が読み放題
JobPicks すべての職業経験談が読み放題
「コカ・コーラにはもともとアルコールもコカインも入っていましたが、薬事法が改定される前に成分を変えたり、禁酒法に引っ掛からないようにアルコールを抜いたりして、政府の規制を巧みにくぐり抜けています」
なるほど。こうして時代の変化に柔軟に対応してきたからこそ、今の時代も残る飲み物になったのですね。昨今のゼロだったりトクホだったりも、その進化の姿勢の継続を感じます。
それにしたって昔はコカインが入ってたなんて、刺激が強すぎますね。ビックリ。
嗜好品は長い時代を生き抜いてきた。ビットコインをはじめとする電子通貨、紙幣の貨幣システム、銀・金時代の前には長らく「飲み物」=「通貨」の時代の構造があった。例えば、オリンピックという競技コンテンツは今でも残っている。ギリシャや北欧の神話も現在まで残っている。歴史を見ながら、今の時代のコンテンツが数百年後にどう残っているのか想像してみるのも楽しい。
中世以前は衛生上の問題から、ヨーロッパの人々は水の代わりにビールを飲んでいた。だから常にほろ酔い状態だった。しかしコーヒーが中東から持ち込まれると、ビールの代わりに目がさめるコーヒーを飲むようになった。そこで頭が冴え、近代科学主義が生まれるようになった。
というのは、本書の中でもっとも好きなエピソードの一つです。人間の力を解放させるテクノロジーは、確実に時代を前に進めることを示しています。
マイニュースに代わり
フォローを今後利用しますか